2022.03.14
HERPカスタマーサクセスが語る、顧客の声をプロダクト改善に活かす秘訣
激しい競争下で、顧客のニーズに合った継続的なプロダクト改善が求められるSaaS業界。顧客に一番近いカスタマーサクセスが顧客の声を正しくプロダクト改善に繋げられるかが成功の鍵になっています。
一方で、
- カスタマーサクセスからの声がなかなか開発に反映されない
- 顧客の声の優先順位の付け方がわからない
- 正しく顧客のインサイトを引き出せない
という課題を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
開発との連携を強化し、開発に活かすための仕組み作りを行っているのが、スクラム採用を実現する採用管理システムを提供するHERP社。同社が行った施策や組織作りの効果や現在に至るまでの苦労まで詳しくお聞きしました。
登壇者
株式会社HERP カスタマーサクセス 加藤 啓太 氏
2017年4月、新卒で株式会社セールスフォース・ドットコムに入社し、テクニカルサポートとカスタマーサクセスを担当。
2021年7月、株式会社HERPに入社しカスタマーサクセス、新規プロダクトの支援体制の立ち上げ、CS Opsの立ち上げなどを担当。
株式会社HERP カスタマーサクセス 原 亜依南 氏
大学1年次から複数のベンチャー企業で採用支援や人事労務に従事。
1年間のインターンを経験したのち、2019年に新卒で株式会社HERPに入社。
株式会社KOMMONS 代表取締役 白塚 湧士
総合商社のIT部門でカスタマーサクセス/サポート領域での新規事業立上げに従事。その後業界大手のコールセンター事業者に出向し、サポートチームのマネジメントを経験。退職後にスタートアップのカスタマーサクセスチーム立上げに携わった後、カスタマーサクセス領域に特化した人材マッチング・コンサル事業を行う株式会社KOMMONSを設立。
HERP社のカスタマーサクセスの体制・ミッション
顧客対応からCSマーケ、業務の最適化までを7名のチームで回す
加藤:まず弊社のCSの体制をご紹介します。大まかになりますが、左側が弊社で提供している採用側のプラットフォーム、右側が立ち上げ中のタレントプールのプラットフォームです。基本的には、私たちカスタマーサクセス担当は、顧客接点を担当するのが5名、後はCS Opsと言って裏側でオペレーションを回したりとかシステムデータを整理していく役割が正社員1名と委託1名の合計7名の体制で動いています。
一番注力しているところは、オンボーディング、アダプションです。それに加えて、特定メンバーがリーダーとなってサポートの問合せ対応や、開発チームとの連携などを全員で日々対応しています。
5名の中で各メンバーが色々なものを兼任しながらやっているというところで、今後、より力を入れていくのがCSマーケ。私たちの会社側でもお客様の交流のためのコミュニティを作ったり、知見交換の場を作ったり、成功事例のコンテンツ作りなどに一定のリソースを割いている状態です。
CS Opsは、私が立ち上げながら委託の方と正社員の方1名ずつをアサインしています。ここはヘルススコアを整備したり、みんなが顧客接点に時間を使えるようにシステムや運用フローの整備を専門的に行っています。まだまだ人数は少ないのですが、今後進化するために役割を決めて日々成長させていこうとしています。
登場人物は全員!カスタマーサクセスという概念を体現するビジョン
白塚:今日の登場人物として、大きくカスタマーサクセスの部分と開発の部分との連携が出てくると思うのですが、VoCの取り組みに限定するとどのような方々とのコミュニケーションが発生するようになっているのでしょうか?
加藤:私たちはslackのチャンネル上でエンジニアと私たちのメンバーで日々コミュニケーションを取っています。登場人物となるとカスタマーサクセス全員とか、むしろフィールドセールスを含めたビジネスサイド全員と各エンジニアチーム全員、プロダクトオーナーまで、チャンネルに属している全員が日々やり取りをしている感じです。
白塚:担当者を決めてではなく、全員一丸となって皆さんでやられているんですね。
加藤:そうですね。カスタマーサクセスはチームの話でもあるけれど、そもそも会社としてお客様の成功を実現したいという概念でもあることと同じ考え方なのかと思っています。エンジニアもカスタマーサクセスを考えるし、フィールドセールスもカスタマーサクセスを考えます。全員が日々意識をしながらやっている状況かと思っています。
そのうえで開発の考え方を軽くご紹介していくと、基本的にビジョンの中でユーザー価値起点というものを掲げております。この価値に沿って四半期の表彰が行われたり、slackのスタンプでそういった価値に沿った行動をした人を称えるという行動をしています。
私が入社してから2四半期ほどの表彰を目にしていますが、面白いのはユーザー価値起点という言葉に対してエンジニアの人が表彰されることがあれば、ビジネスサイド、特にCSのメンバーが表彰されることもあります。ここからも顧客の成功を特定の誰かが考えるわけではなく全社で考えるという姿勢が感じられると思っています。
加藤:弊社カスタマーサクセスの直近の注力分野は、赤枠で囲ったようなところです。採用を成功させるために、かつ成功することで企業が成功をするためには、赤枠で囲ったような困り事が発生するよねというところから決めています。あくまでもミッションとかプロダクトビジョンから逆算をして、その時々の解決していくべきお客様の課題や注力すべき点を開発チームとビジネスサイドのチームですり合わせながら、注力分野を毎月または毎四半期ごとに決めたりしています。
それに対して開発の考え方としては、機能が完全に検証された段階を待たずに実験的・試験的に提供を行うというスタンスです。一斉提供できるのが理想であるものの、一部の顧客に対して先に実現できた機能を提供することで、よりPDCAのフィードバックサイクルを早めたり、私たちが開発した内容について使ってみたらお客さんは機能、ソリューションが不要だったということが一定数あります。そこはしっかり早めに見極められるように、実験的、試験的にどんどん提供していく中でお客様の声を聞いて行こうと考えています。
ここに実際にカスタマーサクセスのメンバーや開発のメンバーが自らお客様に機能の実験を提供していますといった紹介やフィードバックをしているので、開発メンバーも顧客の成功に対して率先的な姿勢かと思っています。
施策実施前の取り組み内容と課題
Slackに誰でも投稿できる仕組みでVoCを共有していたが……
白塚:今回のメインというところでパネルディスカッションに入っていければと思っています。VoC集めと開発優先度にどのように取り組まれていったのでしょうか。
原:もともとVoCをまったく活かせてなかったわけではなく、それなりに共有はしていました。方法としては、Slackの1チャンネルにお客様の声をあげるという形です。
herp-user-voiceというチャンネルがあって、基本的には社員全員、インターン、委託者が入り、打合せで出た要望やHERPを使って出た採用成果など、ささいなことでも幅広く誰でも投稿していました。開発者のみんなもプロダクトの機能を作るときにこのチャンネルから検索をかけたり、調べる用途にも使っていました。
常にみんなが見ているので、リアクションがあったり、エンジニアの人が問い合わせの内容を見て「久しぶりにこれきたね」などと日頃から話している感じです。
開発者に正しい情報が伝わりにくいことでカスタマーサクセス担当者にも悪影響が
原:これでもVoCの共有まではできていたのですが、その声をプロダクトに還元できていないという課題感がありました。
1つ目は、Slackだと情報が流れていってしまうので、いつ、誰が、どのような背景で発言をしたかの事実整理がされていなかったり、開発者の人も一次情報を手に入れるのが大変な状況になっていました。
2つ目はヒアリングの粒度です。直接、CSのメンバーがお客さんに会う機会が多いのですが、その担当者によってヒアリングのスキルがバラバラだという印象がありました。要望を言われたときに何を聞いていいかわからない、人によって聞いていることがバラバラ、お客さんがこういうものを欲しいという機能としてのソリューションは聞けているが、肝心な部分である「なぜそのお客さんはそれに困っているのか、なぜその機能が欲しいと言っているのか」がないことがしばしばありました。
3つ目は、このチャンネルにVoCをあげる心理的ハードルがCSのメンバーも上がってきていました。このチャンネルに投稿したからといって開発の優先順位にどう組み込まれていくのかというプロセスが決まっていなかったので、VoCをあげていて意味があるのかなという不安感がありました。
白塚:確かに。カスタマーサクセスの担当者からは、プロダクトにフィードバッグできるかわからないのにお客さんに何が欲しいのかを聞くのがしんどいとよくお伺いしています。このあたりをペインとして抱えている方が多いと私も感じています。
VoCを開発に反映させる新しい仕組み|3つのステップに分解して情報管理と精度向上を
Notionを利用したチケット管理がスタート
原:このような状況が続いている中で、開発体制の強化が進んだこと、POからビジネスサイドと開発が協力してサービス価値を高める組織でいて欲しいという声をいただいたことをきっかけに新たな仕組みづくりをスタートさせました。
現在、お客様の声をプロダクトに活かすために3つのステップを踏んでいます。
原:1つ目が、各自要望をSlackに投げるだけでなくチケットで起票して情報を一元化することです。これはNotionを使って管理しています。実際に書いているカードで埋まっていないところもありますが、それはお客さんに言われたままを解釈を加えず言われたまま書くようにしているからです。
起票だけでは終わらない!チケットを精査することでチームメンバーの書く力も向上
原:2つ目が週1回の「チケット精査定例」です。起票されたチケットをこのままプロダクトオーナーにはあげません。先にチケット精査定例で内容の深堀りをしてチケットをブラッシュアップしていきます。チケット起票をしただけでは内容がブレブレなんですが、このステップでかなりシャープになるイメージです。
原:具体的にどうやっているかですが、チケットの中でもステータスの管理をしています。後で書くものは書きかけのチケットゾーンに置き、中身が充実したらチケット精査定例にあげるステータスに動かしてミーティングで精査します。
ここでは、起票された問題が「どういうケースで起きるの?」とか、「どの会社でも起きるの?」とか、「どういう課題を解決したくて言っているのか」とか、解像度が低いものに対して話を深堀りしています。
これでみんなの書く力がアップして揃っていく感じですね。これはカスタマーサクセスチーム内だけでやっているのですが、会話の中でカスタマーサクセス内での優先度もつけています。
たとえば、一旦仮でこの機能があれば問題は軽く防げるとか、HERPで実現したい世界観にマッチしたお客さんの役に立てるかとか、私たちが価値を届けたいと思っているお客様のリテンションが高まるユーザーストーリーってなんだっけ、チケットはなんだっけ、というのを会話、精査して優先順位をつけています。
ここまでやるとカスタマーサクセスの中ではちゃんと喋れる状態になっているので、プロダクトオーナーにあげていくという感じです。
白塚:なるほど。このあたりの中身の部分は、こういう要素が必要だよねといったところをすり合わせて詰めていったのですか?
原:業務委託の方が使っているテンプレートをHERPにも合うのではないかと叩きをいただいたり、前職でこういう取り組みをきちんとできていたメンバーに話を整理してもらったり意見をもらったりしています。そこから、HERPに不要なものを削ったり、足りない要素を入れたりしていきました。
フィールドセールスからもVoCを共有|プロダクトへの反映、優先順位付けもみんなで
原:3つ目が週1回の「プロダクト開発改善定例」です。カスタマーサクセスとしては優先度の話とチケットの内容を提示して、開発するうえで情報不足のところがないかを聞いています。このように会話をすることによって、プロダクトオーナーが全体を俯瞰して優先順位を判断できるところまで解像度をあげていくという営みをしています。
フィールドセールスも新規見込みのお客さんと商談した際にたくさん要望を受けとってくるので、カスタマーサクセスとフィールドセールスが中心になって実施しています。今後はインサイドセールスもマーケも参加していけるようになれば良いかなと思っています。
施策実施後の効果|カスタマーサクセスだけでなく開発側からもポジティブなコメントが出るように
白塚:このような施策を実施してきて、どのような変化があったのでしょうか。
原:Slackで流れてしまっていたところがNotionでストック情報として扱えるようになったり、顧客の申告が入っているので詳しく管理できるようになったと思います。カスタマーサクセスチームもお客さんにどんなヒアリングをしたらいいかがある程度わかるようになり、ヒアリングの精度やお客様をとりまとめるスキルアップにつながっていると思います。
プロセスの優先度がわかりにくいというところもカスタマーサクセスとしての優先順位のリストを示せるようになりました。そのため、きちんと声をあげれば反映される安心感をもってお客様のヒアリングができるようになってきたと思っています。
ちなみにSlackの旧運用も続けていて、クイックに「こういうことを言われました」とリアルタイムで開発者と会話しつつ、開発順位に食い込むためには正式フローにあげるという形で併用しています。
原:まだまだ道半ばではあるものの、会社全体として顧客に向いた組織に進化したとポジティブに捉えています。これに登壇する前にプロダクトオーナーと開発者に開発者目線でどう感じているかを聞いたところ、「rev/devと分かれていたところが統合して良い組織になっている」、「開発しているメンバーでもビジネス価値までわかる」、「どのお客さんがどう困っているかをわかった上で開発に進めるので助かっている」、という話をいただけたので、目指している組織像に一歩近づいているかなと感じています。
白塚:なるほど。今おっしゃっていただいたようなrev/devの共同でお客さんのサクセスを実現していくところに向かっていけているということですね。実際に皆さんがこのように感じているのはいいですね。
原:はい、もっとやろうという気になりますね。
施策実行の5つハードルと対処方法|仕組み化には啓蒙活動もセットで必要に
社内で違う方向を見ていたらスケールするわけがない
白塚:Notionを使いながらお客さんの要望をカスタマーサクセスとして開発に組み込めるような仕組みを作ってきたということですが、実際には仕組みを入れて完成といった形にはなっていないんじゃないかと思います。そこのハードルやご苦労をお伺いできればと思っています。
原:私なりに壁の整理をしてみたのですが、これが我々がぶち当たっていた大きな壁だと思います。
原:サービスを出したてというのはそもそも機能がないので早く作らないと売れないとか、我々の場合は採用管理のシステムは他にもあるのでどうしても比較をされ、この機能がないと使えませんという話になるので、無いと困る機能がたくさんあります。それを急いでいたり、セールスは売り上げを伸ばしたり、CSはチャーンを防止するためにまずはPMFしないと、売れる状態にしないと次のステップに進めないかなというところがあって、目指している地点が違っていました。
ある程度基本的な機能開発が進んで、お客さんに提供できる価値、提供したい価値は何か、人も増えてきてたけど組織のケイパビリティをあげていくためにはどうしたら良いのかを考えたときに、今の目指している方向が違うと今後スケールしないよねという話になりました。弊社の場合はPOの徳永がCOOもやっているので起案してわりとスムーズに進んだところはありますが、役職がある人が言わないと進まないということはないので、現場レベルでも顧客に目線が向いていないと思ったら一緒の方向を向こうよという提言は誰でもしていいんじゃないかと思います。
自分には関係ない…ではなく、できることをやる
原:2つ目は、前提として大事かなと思っているのですが、ある程度開発力がないと、要望を改善して進むのは難しいかなと実際にやっていて思いました。去年は、無い機能を作ろう、開発者が足りないと言っているなかで、なかなかお客様の声を受け取ってそれを開発に活かそうとすることが体制上難しいところがありました。そのため、大前提として優秀な開発者が集まってくれるのは大事だなと思います。
直接、カスタマーサクセスの皆さんがする話ではなくなってしまうかもしれませんが、採用って全社の課題だと思っています。我々の提唱しているスクラム採用のように、職種が違っても友達でエンジニアが転職活動しているんだと紹介もできるだろうし、開発者が書いたブログをシェアするだけでも採用の役に立てます。VoCを活かすところにもまわりまわって大事な営みなのかと思っています。
お客さんのことがわかるようにならなければ、正しくVoCを吸い上げてプロダクトに反映することはできない
原:3つ目は、いざお客さんの声を届けようとしてもなかなか正しく届かないことです。ビジネスチームのメンバーが声を吸い上げるのは結構難しく、お客さんが言ってきたそのままをソリューションとしてぶつけると、お客さんが何に困っているのかを開発者が客観的に認識できないことがあります。
チケットの精査をするときに、それは誰にとって必要で解決したい課題なのかを自分自身で書きながら問いを続けることになるので、お客さんが本来したいこと、困っていることがわかるようになります。ソリューションを考えるのはプロダクトの仕組みにも依存するので、何に困っているかを会話する文化作りが開発者との連携で大切だと考えています。
これによってヒアリング精度があがり、適切にヒアリングができるようになってくると、お客様の声も正しく届けられるようになってくるかなと思います。
加藤:フィールドセールスから新規顧客の声をあげる方は、まだソリューションが並んでいるということが発生していて、ここはPOとのすり合わせを事前に私と原でやっています。フィールドセールス側はまだソリューションを聞いてしまっているのですが、それをわざと通すので良くも悪くもフィードバッグをしてあげてくださいと言っています。そこの期待値調整をしておいてフィードバックをして改善することを繰り返さないとヒアリングの質を含めて変わってこないと思っているので。
元々カスタマーサクセスの方も雑にPOにあてて、フィードバックされて、こういう事をチームとして求められているんだという気づきを得るということをやっていました。皆さんもここがぶつかる壁だと思うのですが、ぶつかったときのショックを小さくして気軽に書ける環境を整えておけば良いのではないかと思っています。
白塚:ありがとうございます。
なぜやらなければいけないのか?時間をかけてでも目線を合わせるための地道な働きかけを
原:次の壁に行きますと、今もフィールドセールスのメンバーと話をすると、みんなでやろうとする熱量が低い人が明らかになったり、何かしら理由があって参加しない人が出てきます。チケットを書いて成功体験が得られるとみんなどんどん書いてくれるのですが、そこまでいっていない人、チケットを書いたことがない人は、みんなが書いてくれるからいいやとか、なんで自分も書かなきゃならないのとか、そういったことがお恥ずかしながらゼロではありません。
これは結構根性論を書いてしまったのですが、なぜやっているのか「why」の部分をちゃんと伝える。お客さんにとっても価値があるし、自分たちにとっても価値があるということを伝える。そういう啓蒙活動が大事になります。これは加藤がやってくれています。
加藤:先週この「なんで書かなければいけないのか」が、Slackのスレッドで40返信たまっていて、絶賛やり取りをしているチームもあります。カスタマーサクセスはどちらかというと浸透しているのですが、フィールドセールス側はまだまだこれからという感じですね。
白塚:このあたりは仕組みを作った上で運用としてしっかり回していくところは、原さん加藤さんを中心とした草の根運動じゃないけれど、なんでこれをやるんだというところから、どういうふうにやるんだというところまで地道にみんなに教えていってあげる。そういったところがセットで必要なんですね。
原:そうですね。みんなの目線を合わせる、お客さんに目を向けるのはどんな活動でも大事だと思っています。我々も組織拡大フェーズで人が増えても目線を合わせることは時間をかけてやっていきたいと思っています。
白塚:そうですよね。そこの部分はやはり先ほどお話いただいたようなチケットを書くにも時間がかかるし、これで書いていいのかという抵抗感も出てきてしまうところもあると思います。最初は詰められる前提で気軽に起票してもらうことがチケット数を増やすのに重要なポイントなのかもしれないですね。
加藤:お客さんのためを考えるなら「書くことを止めるのは、なんのためになるの?」という話になるので、聞いたことはできるだけ書いていこうと啓蒙している状態です。
プロダクトビジョンやユーザーの提供価値に立ち返ってみることで見えるものがあるはず
白塚:最後の壁が残っていますかね?
原:はい。最後はいろいろしゃべったのですが、確からしい優先づけは難しいなと感じています。まだまだ模索中ですが、まずは要望をあげていく、次にどこから解決していけばいいかわからない壁に皆さんぶつかるんじゃないかと思っています。
プロダクトの進化に合わせて出せる価値も進化したり変化していくものなので、大きなリリースがあったタイミングや大きな変化のタイミングで改めて優先度を考えてみると話しやすいのかなと感じています。
白塚:5つの壁というところで、先ず体制を整える。仕組み作りというところでNotionの仕組みを構築していきつつ、泥臭く社内に文化を浸透させていくところはセットで必要ということですね。運用にのせるには努力が必要で、そこまでいってもまだ壁を乗り越えている最中でなかなか道のりは長いというところですね。
今後の課題・展望
原:そうですね。POの発端であるRev/Dev問わずお客さんの価値に寄り添っていく組織としてはまだまだ遠いです。
例えば、今は週1のサイクルを作ってチケットをあげる活動をしていますが、もっと機動的に動いて、「これがないとダメなんです」みたいな会話を積極的にしていく必要があると感じています。会話が多い方だと思っているものの、具体的なお客様への価値の会話などを開発者とビジネスチームのメンバーでまだまだできていないところもあると思うので、同じ目的に向かって行くにはもっと会話を深めなければならないと思っています。それに、ビジネスサイドも開発のことをわかっていないと要望をあげるのが難しいんですよね。なので開発理解も深めながらより協働の深度も深めたいと思っています。
今、CSチームがいい感じにできていると思います。これを本来的にはフィールドセールスも機能要望じゃなくてユーザーの困りごとで挙げられるようにしたいし、マーケもインサイドセールスもそうなって欲しいと思っています。
より会社全体で目線を合わせてプロダクトに関して真剣に議論してみんなで価値を生んでいけるような組織にするための、遠い道のりの一過程かなと捉えているので、皆様のご意見もいただきながら、我々もアップデートしていけたらと思っています。
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カスタマーサクセスで副業案件に挑戦するならKOMMONS
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