コミュニティ活用事例インタビュー

CS KOMMONSコミュニティが半年ごとに実施する「傍楽(はたらく)プロジェクト」。
今期は、コミュニティの中核メンバーであるKPPが中心となり、4つのテーマで活動が進められた。
そのひとつ「組織の壁を越えよう」プロジェクトでKPPを務めた株式会社Leaner Technologies・織茂さんに、参加の経緯から、CS×マーケティングという多くの組織が直面する連携課題への向き合い方、そこで得られた成功体験までを聞いた。
企業概要
企業名 | 株式会社Leaner Technologies(リーナー) |
|---|---|
対象事業 | 調達・購買部⾨向けの調達DXクラウドサービス「リーナー見積」「リーナー購買」「リーナーコネクト」 |
ご登場 | 織茂 尚之様(リーナー見積事業部 事業本部長) |
PJでの立場 | KPP(組織の壁を越えようPJ) |
聞き手 | 白塚 湧士(ATOMica KOMMONSカンパニー) |
取り組みテーマ | CS×マーケティングの部署間連携 |
取り組み期間 | 2026年4月〜8月(傍楽プロジェクト上期) |
「KPP(KOMMONS Premium Partners)」は、CS KOMMONSコミュニティの中でも、マネジメント層を中心とした実践者が集まる会員制のコミュニティです。コミュニティ内の各種プロジェクトでは、このKPPがテーマごとのリード役を担い、参加メンバー(クルー)と共に各社の事例を持ち寄りながら、議論を深めていく体制がとられています。
「傍楽(はたらく)プロジェクト」は、そのKPPとKOMMONSクルーが、半年単位(上期・下期)で特定のテーマに取り組む、コミュニティ内の分科会活動です。事例共有とディスカッションを重ねながら、夏合宿やSUCCESS CAMPといったコミュニティイベントで成果を発表していきます。
今回の「組織の壁を越えよう」プロジェクトでは、株式会社Leaner Technologies・織茂さんが、circus・下山さん、ヤプリ・鏑木さんと共にKPPとして参加しました。
白塚 まず、織茂さんがKPPとして参加された「組織の壁を越えよう」プロジェクトが、どういうプロジェクトだったのか教えてください。
織茂様 顧客の成功を、CSだけの役割に閉じずに、プロダクトやマーケティングといった他部署と連携しながら実現する方法を探るプロジェクトです。扱うテーマを「CS×プロダクト」「CS×マーケティング」の2つに絞り込んで、各社が実際に抱えている課題を持ち寄りながら、具体的に自社で試せるアクションまで落とし込むことを大事にしていました。私自身、自社の課題としてマーケティングとCSの連携に課題認識があったので、そちらのプロジェクトテーマに参加しました。
白塚 織茂さんは、どんな期待を持ってKPPとして参加されたのでしょうか。
織茂様 「CSからどう事業を伸ばしていくか、事業をどう盛り上げられるか」という問いは、ずっと自分の中にあったテーマでした。CSの歴史が長い立場として、CS単体で完結する話ではなく、マーケやセールスと連携しながら事業全体を伸ばしていく話を、他社の皆さんとも交換したいという気持ちがありました。
弊社の現状整理 ― ディスカッションで気づいた「強み」
白塚 まず、ご自身の会社の状況をどう整理されたのでしょうか。
織茂様 CS×マーケ協働について、「強み」と「伸びしろ」の両方を棚卸ししました。強みとしては、半年に一回開催している自社カンファレンスでのリード獲得や、地域開催の「調達イノベーターズサミット」という飲み会形式のイベントでの新規・既存の引き合わせによる受注率向上など、点としての成功はすでにありました。一方で、会社・事業部全体で既存顧客のリファラル効果をフル活用できているかというと、まだ伸びしろがある状態でした。


白塚 この棚卸し自体が、PJに参加したからこそできたことだったのでしょうか。
織茂様 そうですね。カンファレンスでのリード獲得も、地域イベントでの受注率向上も、社内では自分たちの「強み」として明確に意識できていたわけではありませんでした。他社の皆さんと状況を比較しながらディスカッションする中で、「それは強みですよ」と言っていただけて、初めて自分たちの取り組みを、再現性のある強みとして認識できたんです。これは、このプロジェクトを通じて得られた、地味だけれど大きな収穫だったと思っています。
鏑木さんとの対話から見えてきたこと
白塚 そこから、具体的にどう打ち手を変えていったのですか。
織茂様 PJで一緒だったヤプリの鏑木さんの事例が、大きなヒントになりました。鏑木さんの会社では、マーケチームに「競合対策」チームを設置し、検討以前・検討初期フェーズの顧客のナーチャリングに動いていた。さらに、CSの責任者がマーケの責任者に異動し、CS本部長がビジネス本部のトップに就任したことで、既存顧客のサクセス解像度を軸にマーケ・セールスの指針を見直す動きが生まれていた。「そもそも組織の壁は前提としてあるもの。その上でどう相乗効果を出すか」という鏑木さんの気付きが、特に刺さりました。

白塚 鏑木さんの事例を伺う前、織茂さんの中では、マーケとCSの連携についてどんな課題を感じていたのでしょうか。
織茂様 実は、セールス、CS、開発といった隣接する部署同士のコミュニケーションは、以前からそれなりにありました。ただ、マーケとCSの連携という観点で定期的に話をする会議体は、これまでうちには存在していなかったんです。CSの顧客解像度をマーケに展開することで、さらなる事業成長につながる感覚はありつつも、実際に動けてはいませんでした。
白塚 その「場がない」という状態を、どう変えていったのですか。
織茂様 3つの打ち手を実行しました。1つ目は、DH(指名打者)人材の育成をプロジェクト化したこと。コンペになりやすい同業他社ごとに専属メンバーを立て、業界ごとに長期的にナーチャリングできる体制に変えました。2つ目が、まさにその「なかった会議体」をつくったことです。マーケの責任者・CSの責任者・事業本部長での隔週定例を新たに開始し、マーケチームの目標に、既存顧客を活用したオフライン施策経由の集客数を組み込みました。3つ目は、オフライン施策の実施エリアを、セールス強化エリアにも拡大したことです。

白塚 その結果、どんな成功体験につながりましたか。
織茂様 専属DHによる顧客伴走で、同業他社とのコンペ勝率向上の兆しが見えてきていること、そして何より、マーケチームが「オフラインイベント集客数」を自分たちの目標として持ってくれるようになったことです。会議体すら存在しなかったところから、共通の目標の上で議論できる関係に変わった。各部門で抱えていた課題が、部署をまたいだ共通言語になった瞬間でした。
Before / After
観点 | Before | After |
|---|---|---|
マーケとの会議体 | マーケ×CSの連携を話す場が、そもそも存在しなかった | マーケ・CS・事業本部長の隔週定例を新設 |
打ち手の根拠 | 感覚的な「相性の良さ」で判断、自社の強みも未言語化 | 他社との対話で自社の強みを再認識し、専属DH・業界別ナーチャリングという型に |
成果の指標 | 点としての受注率向上 | マーケチーム目標に既存顧客経由の集客数を組み込み |
白塚 今回、CS夏合宿でもこの内容を発表いただきましたね。
織茂様 はい。参加者の皆さんの前で、鏑木さんの事例から学んだことや、自社で実行した3つの打ち手についてお話ししました。マーケとCSの間に会議体がなかった、という話をした際、他社の皆さんの状況を伺っていると、同じような課題をすでに文字化ができている方が、思いのほか多かったように感じました。発表後のグループディスカッションでも活発に質問をいただきました。
白塚 これから、どのように取り組みを広げていかれますか。
織茂様 マーケとの連携も、コミュニティ内での活動も、下期に入ってからも続いていきます。今回は「CS×マーケティング」という1テーマに絞って取り組みましたが、他のテーマについてもコミュニティの皆さんと議論を重ねながら、自社の取り組みにつなげていきたいと思っています。
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