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【イベントレポート】#CS寺子屋Vol.4「一貫したアクションプランに落とし込むためのライフサイクル設計」

提供サービスの数だけ正解があるカスタマーサクセスにおいて、自社のベストプラクティスを追い求めるには、お客様のニーズと自社の特徴・強みを把握したアクションプランを設計する必要があります。ですが、お悩みを相談いただくカスタマーサクセス担当者からは「何から始めれば良いかがわからない」「自社のやっていることが正解かがわからない」といったお声も良く耳にします。

そこで、CS寺子屋 Vol.4では「一貫したアクションプランに落とし込むためのライフサイクル設計」と題して、株式会社ログラス 比留間心之介さん、パーソルキャリア株式会社 竹下貴之さん、エン・ジャパン株式会社 田中亮成さんをお招きし、実践を通して型を作り上げてきた取り組みとノウハウを語っていただきます。


スピーカー紹介

株式会社ログラス
カスタマーサクセス
比留間心之介

新卒で独立系IT・業務プロセスコンサルティング会社に入社し、SAP財務会計モジュールのヘルプデスクや問い合わせワークフロー構築を推進。2020年、複合エンターテイメント事業会社で経営管理業務DX推進PJに参画。2022年より株式会社ログラスに入社し、導入企業のカスタマーサクセスを務め、社内業務プロセスや情報資産等の整備を担当。

パーソルキャリア株式会社
リードディレクター
竹下貴之

2011年大学卒業後に小売・流通業界に就職、2016年から現在に至るまで人材紹介・派遣領域で人事・経理等のバックオフィス、事業推進・新規部署立ち上げなどを経験。2021年パーソルキャリア株式会社にHR Spannerの立ち上げに対してカスタマーサクセス・セールス体制構築の観点で入社。利用企業様のオンボーディング体制の構築を支援。

エン・ジャパン株式会社
新規事業開発室
カスタマーサクセス
田中亮成

早稲田大学法学部卒業後、株式会社ヒューマネージへ入社。ATS導入企業のカスタマーサクセス/営業企画としてSMB企業から大手企業まで幅広く採用のご支援を担当。2022年にリファレンスレポートサービス「ASHIATO」へ参画し、CS組織の立ち上げに従事。


登壇1 株式会社ログラス 比留間心之介さん

今回は、ログラスの考えているライフサイクル設計とアクションプランについて皆様に共有いたします。

一貫したアクションプランはなぜ必要なのか

サクセスの再現性を高めるために、アクションプランの作成は効果的です。再現性が高まることで、事業と組織のスケールに繋がりますし、言語化することでアクションプランの妥当性評価も可能になります。

ここで、ログラスにおけるサクセスの定義(※2023/6時点)をお話します。

■ライトサクセス
既存の経営管理業務をLoglassに置き換えて、負担となっていた業務から現場を開放すること(経営企画がワークできる)

■ディープサクセス
Loglassから得られる情報や示唆を起点に、経営会議や会社の意思決定が進んでいく状態をつくること(Loglassなしで意思決定できない状態になる)

我々のお客様は、月次経営会議に向けて、会計システムや各部門のKPIなど様々な場所からデータを収集し、一つの経営会議資料にしています。この「収集する」という業務をLoglassを使って代替し、業務効率化を実現します。業務効率化によって、経営会議を毎月15日から12日に行うことができるようになったら、より早い意思決定ができます。競合より早く意思決定し、その意思決定に従って会社のリソースを振り向けることができれば、その企業の競争力は増し、企業価値を向上させられると考えています。

アクションプランとライフサイクル設計の関係

私が考えているアクションプランとライフサイクル設計の関係について紹介します。

ライフサイクルが規定される要素

ログラスが価値を提供する経営管理領域に着目すると、以下の2つに規定されます。

【時間軸①】リニューアルタイミング(When)
【時間軸②】繁閑(季節性・周期性)

1つ目はリニューアルタイミングです。リニューアルから逆算してアクションプランを考えます。「このサービスに対して幾ら払うのが妥当なのか」は、お客様の中で考えが動いているので、リニューアルの数か月前にはお客様と一緒に振り返りをして、評価を固めていく時間をつくります。

2つ目はお客様がリソースを割けるタイミングです。ほとんどのお客様では、新規にコンサルタントやSIerなどの外部ベンダーを新規に発注して、大規模なプロジェクトチームを組成するようなことは難しく、お客様自身も限られた工数で対応をしなければいけません。カスタマーサクセス目線でアクションプランを立てたとしても、お客様自身にリソースが無く、動けないのでは前に進むことができません。ですので、お客様の繁閑状況を知ることは非常に重要です。

アクションプランは3つのプランを重ねながら導く

我々は「お客様のプラン」「自社プロダクトのプラン」「自社ビジネスのプラン」の3つを重ねながら導いています。

①お客様のプラン…中長期、短期、年間定常業務、変動性、など

お客様のプランには、中期と短期があります。中期はお客様が公開している中期経営計画を把握します。例えば、ROE10%を目指している企業は、その目標から事業戦略やIT投資テーマがブレイクダウンされていくため、そこを把握します。短期は現場レベルの内容になるため基本は非公開情報です。そのため、カスタマーサクセスがお客様にヒアリングに行く必要があります。

また、短期と中期以外の視点として、年間の定常業務があります。短期の修正予算を作成する動きであったり、次年度予算の作成を3か月程度かけて実施するなど、業務における必要性があるからこそLoglassを使用する価値を感じていただけています。カスタマーサクセスとしても、定常業務を把握することで適切なアクションができるため、これらを把握することを重要視しています。

お客様のプランは、企業規模によって内容やタイミングに変動性があります。

②自社プロダクトのプラン

自社プロダクトのプランはプロダクトロードマップが重要です。

以下は企業規模毎の変動性です。我々のようにスタートアップの場合、開発ロードマップに都度微調整が入るので、カスタマーサクセスとしては扱いが難しいと感じています。

③自社ビジネスのプラン

我々の場合、リニューアルタイミングから逆算しながら、お客様の予算取りや見積内容のすり合わせをしています。例えば、次年度のアカウント数ですとかオプションの有無、購買申請(稟議)ワークフローのリードタイムなどです。

また、リニューアルの方針は3つの軸で進めています。

①ユーザー属性
 ・Economic Buyer(決裁者・意思決定者)
 ・Champion(プロダクト・サービスに好感をもっている推進者)
 ・Administrator(システム運用管理者)
 ・End User(閲覧者やデータ更新者)

②プロダクト・サービスへの評価・心象

③予算状況

3つの軸を組み合わせることでリニューアルの方針を決めます。

ここで登場する「超積極策」「積極策」「消極策」それぞれにアクションを定義していきます。例えば、EBに予算があり価値を感じてくれたら積極的に提案を進めていく、消極策の場合は契約更新まで至れば嬉しいというイメージです。

ライフサイクルと3つのプランを踏まえつつスケジュールに落とし込む

最終的には、3つのプランを重ね合わせてリニューアルの方針を反映させたお客様毎のチャートを完成させています。

登壇2 株式会社パーソルキャリア株式会社 竹下貴之さん

今回は「リリース初期という大変短いライフサイクルを具体的にどのようなプロセスで伸ばしたか」について紹介します。

注目いただきたいのが2022年度上期のアンケート利用率です。44.7%の内、継続利用が15%しかありませんでした。そこを改善していくことで、退会率も13%を3%まで低減できました。この成果をだした過程において、私が大失敗した経験を踏まえて、ライフサイクルのAs-IS、To-BEを紹介します。

退会率の原因がどこにあったのか

当時、退会率が13%あり、無料にも関わらず何故ここまで退会率が高いのかがわかりませんでした。我々が提供したかった価値は「定着支援ツール」だったんですが、人事担当者にヒアリングを進めていくと、本当に期待していたのは「戦力化」であり、「定着」はお客様がお金を払ってでも解決したい課題ではなかったと理解しました。人事担当者の「誰もが定着して欲しい訳ではない、成果を出せる人に定着して欲しい」という生々しい本音をいただいたことで「戦力化ありきの定着」にこそ価値があることに気づきました。

なぜ誤ったお客様体験価値を提供し続けたのか

我々は今まで顧客を無理やりサクセスさせていました。定着支援サービスを「しっかりと設定した」ことでお客様にフィットさせたつもりになっていました。結果として、続々と退会していくお客様を目の当たりにし、プロダクトに期待する価値が違うんだと実感しました。

この時、無料のサービスにも関わらず、導入企業の20%未満の利用率であったことから撤退も視野に浮かびました。

どのようにお客様体験価値を変えたか

スピードが最も重要でした。PMF前のサービスのため、原因を迅速に特定して提供価値をピボットさせる必要がありました。

まずは利用ユーザーの声を聞きにいきました。「時間が無い」「連絡が取れない」等で会話ができず、その時点でプロダクトが全然刺さっていないことが実感できました。次に、大手企業の人事担当者といった有識者にヒアリングを開始しました。そこで2〜3人に聞いた時点で原因が判明し、その瞬間からMVP開発に走るという形で3か月でピボットをやりぬきました。

セールス~カスタマーサクセス体制

サービスリリース後1年半のフェーズにおける体制が以下の図です。

特徴的な部分は、フィールドセールスからカスタマーサクセスまでを一貫して同じメンバーが担当していることです。無料サービスは本番運用開始のタイミングが曖昧になることが特徴です。利用開始後にテスト運用をするケースも多く、本番運用開始のタイミングがお客様によってバラバラでした。中途半端なタイミングでコミュニケーションを切ってしまうと退会も増えていくことが目に見えていたため、一気通貫でサポートできる体制構築を目指しました。

登壇3 エン・ジャパン株式会社 田中亮成さん

私からは「事業立ち上げ期におけるカスタマージャーニーマップ作成と実行まで」というテーマでお話したいと思います。

取り組んだ施策の共有

まずは取り組むにあたっての課題感とおこなったことを共有します。

弊社のリファレンスサービスは、リリースしてから約3年目のサービスです。当時のカスタマーサクセス組織は自分を含めて2名体制でした。その時の課題感が2つあり、スピード感を意識しながら3か月でアウトプットまで駆け抜けました。

取り組んだ施策の共有① お客様の活用状況と対応優先度の把握

まず、カスタマージャーニーマップを作成しました。事例協力いただいた企業など、定性的な観点でロイヤルカスタマーにあたる企業を分析して、定量指標の項目を設定しました。そのうえで、導入後の経過月数を基準に、フェーズを定義しています。

指標について少し具体例をお話します。弊社のリファレンスサービスは「入社後のミスマッチを減らすサービス」です。選考フローに組み込むとスピード遅延する懸念が考えられる中、「導入後から何か月間で候補者に依頼いただけたか」「利用職種の何パーセントが登録いただけるか」を指標の一部に組み込んでいます。正直この指標の妥当性は不明で、一旦決めてPDCAを回す中で最適化していくしかないと考えていました。

その後、フェーズ管理を開始しました。SQLで取得したお客様の利用状況をスプレッドシートに落とし込んで、月初の状況把握から、遅延状況と対応フローの判断に活用しています。また、目標設定で「何社フェーズを上げられるか」の判断材料としています。

取り組んだ施策の共有② カスタマージャーニーに沿ったフォロー内容を通じて一般化する

次にフォローフローの一般化に取り組みました。フェーズに応じたフォローMTGをおこない、NotionにMTG内容のフォーマットを定義することで一般化を実現しています。具体的には、キックオフMTGと2回目のMTG、運用定着フェーズに遷移した企業としない企業、それぞれのタイプ別に応じたフォローなど、分類分けをおこないました。カスタマーサクセスのリソースが不足している時に営業側でも対応が可能な形を意識して準備しました。

振り返り(Good & More)

Goodポイントは「共通認識を持ったうえで迷いなく進められる」ことです。取り組みを通じて「お客様にサービス価値を届ける際に、何が障害になるか」という観点が、解像度高くなったと感じています。

Moreポイントは「お客様が自社のサクセスに届かないで諦めてしまうケース」が一定でてくるので、それを減らすためにも「お客様にとってのサクセス」を継続的に更新していくことが重要だと考えています。また、「ライフサイクル設計自体を目的化してはいけない」ため、スピード感をもってアップデートを繰り返していくのが重要だと感じました。

本イベント内容についてより深く知りたい方はコミュニティにご参加ください!

本イベントのアーカイブ動画はCS KOMMONSのコミュニティメンバーに限定公開をしています。
イベントレポートを読んで、より具体的な話を登壇者から聞きたい方や、イベントに参加したけれども振り返りをしたい方は、ぜひコミュニティにご参加ください。すでにコミュニティに入っている方は、コミュニティポータルサイトのイベント一覧からアーカイブ動画をご覧いただけます。

カスタマーサクセスで副業案件に挑戦するならKOMMONS

株式会社KOMMONSは「働くを、傍楽(ハタラク)に」というVisionの元、国内最大級のカスタマーサクセスコミュニティを基盤に、カスタマーサクセス特化型の業務委託人材のマッチング・コンサル支援サービスを提供しています。

急速に拡大しつつあるカスタマーサクセス市場において、即戦力の人材を採用するのは非常に困難です。弊社では、オンラインコミュニティに登録する1,000名以上のカスタマーサクセス人材に向けて、カスタマーサクセスの副業案件を紹介しています。

また、カスタマーサクセスの副業案件に興味をお持ちの方に向けて、経験豊富なKOMMONS担当者による1on1のお悩み相談や採用面談フォロー、副業案件着手後のフォローも可能です。副業先との採用面談をする前のプロセスから寄り添うことで、カスタマーサクセス人材の成長に伴走し、必要に応じて適切なスキルセットの案件を副業・業務委託・転職といったさまざまな形で紹介することができます。カスタマーサクセスの副業にご興味がある方もぜひこちらからコミュニティにご参加ください