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データとお客さまの声で描く、顧客価値最大...

2026.10.2

データとお客さまの声で描く、顧客価値最大化への挑戦【NTT東日本株式会社様】

  • コンサルティング

プロジェクト概要

NTT東日本株式会社は、通信サービスやICTソリューションをはじめとする多様なサービスを提供しています。その中でも、ビジネス開発本部 無線&IoTビジネス部では、IT管理者不足や専門人材の確保に課題を抱える中小企業のお客さま向けのICT導入・運用をトータルで支援するため「ギガらくWi-Fi」「ギガらくルーター」「ギガらくスイッチ」「ギガらくカメラ」をはじめとするICTサービスや「おまかせITマネージャー」等IT運用支援サービスを提供しており、これらサービスをご利用いただくお客さまに対し、継続的な価値提供を通じた顧客生涯価値の向上を目的としたカスタマーサクセス活動を推進しています。本プロジェクトは、これまで担当者の知見や経験に依存する側面が大きかったカスタマーサクセス活動について、サービス利用データとお客さまの声を活用したデータドリブンなアプローチへ転換し、再現性のある施策設計・運営モデルの確立を目指す取り組みです。

背景と、解くべき問い

当時のご要望

・定期的にサービス満足度等の調査を行い、カスタマーサクセス活動を行っていたものの、活動を評価し、お客さまに必要とされる活動に繋げていく仕組みが不十分であり改善したい
・また、サービスを契約する際のお客さまの環境変化や課題を理解し、より長く快適に利用できるサービスポートフォリオや提供手法の改善に役立てたい

設定した「解くべき問い」

・第1期:お客さまが安心してサービスを継続利用できる要因の把握
・第2期:お客さまの長期利用につながるサービス利用体験の明確化
・第3期:お客さまが複数のサービスを選択・利用するまでの背景や判断プロセスの把握

KOMMONSの支援内容

1. 継続利用を支える要因の可視化:サービスの利用状況やお客さまとの接点を分析し、安心して継続利用いただくために重要な要因を整理。

2. お客さまへの提供価値を高めるサービスの組み合わせの検証: 利用サービス数と継続率の関係や、相乗効果が期待できるサービスの組み合わせ、導入順序を分析。お客さまの課題に合ったサービスを適切に提案し、継続的に価値を感じていただくための方向性を整理。

3. お客さまの声に基づく価値の言語化: KOMMONSを通じた1,000件超のヒアリング結果を分析し、お客さまがサービスを選び、継続して利用する背景や、実際に感じている価値を明確化。

KOMMONSの支援体制

・カスタマーサクセス株式会社 / 梶原様
・株式会社ATOMica KOMMONSカンパニー / 白塚、木村

導入検討から成果実感まで ― 5つのチェックポイント

― 導入まで ―

課題認識 ― 感覚頼みのCSに、危機感があった

白塚 本日はよろしくお願いします。KOMMONSにお声がけいただく前、ギガらくWi-Fiにおけるカスタマーサクセスはどのような状態だったのでしょうか。

柴田様 これまでもカスタマーサクセスの取り組みは進めてきていました。解約されたお客さまに対する分析や問合せ分析に基づくHP等のコンテンツ・動線等の見直しや、不具合の兆候が見られるお客さまへのサポート、設定変更のチャット支援等を実施していました。一方で、カスタマーサクセス活動の成果を可視化し、適切に評価する仕組みは十分に整備されていませんでした。そのため、施策そのものは実施していたものの、それらがどの程度お客さま満足や継続利用に寄与しているのかを客観的に把握できていないことが課題でした。

白塚 施策自体は実施されていた一方で、成果を客観的に評価することが難しかったとのことですが、その先に見えていた事業上の課題はどのようなものだったのでしょうか。

柴田様 ギガらくWi-Fiは中小市場シェアNo.1までお客さまを増やしてきたことで、いかにより長く・より満足して使っていただくか、またお客さまの課題に応じた新たな価値をご提供していくかが重要なテーマになっていました。

 しかし、継続的にご利用いただいているお客さまについてはデータに基づいた分析が十分に進んでおらず、何がお客さまの利用継続を支えているのかを明確に説明できる状態ではありませんでした。また、お客さまにより大きな価値をご提供するための追加サービス提案についても、「誰に・何を・いつ提案すべきか」という判断の根拠を十分に持てていませんでした。

パートナー選定 ― 外部の専門家と、数字で示せるプロセスを

白塚 そこで社内だけでなく、外部の専門家を活用して変えていこうと。

白神様 カスタマーサクセスの取り組みをさらに発展させていくためには、専門的な知見や他社事例も取り入れながら進める必要があると考えていました。そこで、知見をお借りしながら一緒に設計を進められるパートナーを探していました。施策や意思決定の根拠を明確にし、再現性のあるカスタマーサクセスの仕組みを構築したいと考えていました。

白塚 数ある選択肢の中で、KOMMONSと取り組もうと決めた決め手は何でしたか。

白神様 決め手は大きく2つです。カスタマーサクセスに関する専門的な知見をご提供いただくだけでなく、私たちと同じ目線で課題に向き合い、実際に手を動かしながら伴走いただけると感じたことです。施策や意思決定を経験や勘に頼るのではなく、データに基づいて評価・検証できる仕組みを共に構築できると感じられたことです。ご提案内容も具体的で、通信領域での豊富な支援実績をお持ちだったことから、私たちの事業や商材に対する理解も深いと感じました。単なるコンサルティングに留まらず、実際の運用や施策実装まで見据えて進められるパートナーだと考え、「この方々となら一緒に成果を創り上げていける」と感じたことが採用の決め手となりました。


― 成果実感まで ―

解約要因の可視化【リテンション】 ― 継続を左右する“サポート体験”を特定

白塚 第1期は「解約を防ぐ」ところからでした。進め方として「深化」と「探索」という2本立てで進めていきました。

柴田様 はい。過去の解約分析を深掘りする「深化」と、契約後のお客さまのライフサイクルを探る「探索」の2つのアプローチで分析を進めました。そこで見えてきたのは、お客さまのサービス活用状況が継続利用に大きく関係している可能性があるという示唆でした。

図1:設定変更の有無による継続率の差(振り返り資料 p4/実数はモザイク)

白塚 一方で、ここに至るまでは相当ご苦労もありました。

井達様 データの抽出や分析基盤の整備には特に苦労しました。解約に至る要因を特定するためには、さまざまなデータを組み合わせて検証する必要があり、データの整合性を確保しながら分析を進めることの難しさを改めて実感しました。今回のプロジェクトを通じて、分析手法そのもの以上に、その前提となるデータの抽出・加工・整備がいかに重要であるかを学びました。質の高い分析は、質の高いデータ基盤の上に成り立つということを改めて認識する機会になったと感じています。

白神様 ただ、その過程を通じて、今後の分析や施策高度化に向けて必要となるデータや基盤整備の方向性が明確になりました。これは本プロジェクトの大きな成果の一つだったと考えています。

追加提案に向けた顧客分析【カスタマーセールス】 ― “理想の顧客体験”を、データと一次情報で

白塚 第2期では、テーマが「解約を防ぐ」から「複数商材の提案による顧客生涯価値の最大化」へと移っていきました。

栗原様 はい。第1期の分析を通じて、お客さまの継続利用につながる要因や、解約を未然に防ぐための重要な示唆を得ることができました。一方で、ギガらくWi-Fiはもともと継続率の高いサービスであるため、単一サービスにおける解約抑止だけでは事業全体へのインパクトに限界があることも見えてきました。

そこで視点を広げ、ギガらくWi-Fi単体ではなく、ギガらくルーターやおまかせITマネージャーをはじめとする関連サービスも含めたサービス全体で、お客さまへの提供価値をどのように高めていくかを検討する方向へと発展していきました。お客さまとの接点や利用サービスの広がりを踏まえながら、様々なサービス全体での継続利用と顧客生涯価値向上を実現するためのあり方を考えていこう、というのが第2期のテーマでした。

白塚 そこで、お客さま満足度などの指標だけではなく、日々の業務の中で自然に活用いただき、なくてはならないサービスとしてご利用いただいている状態に着目して分析を進めました。

栗原様 はい。そして分析からは、サービス利用の広がりと継続利用との間に一定の関連性があることが見えてきました。さらに、お客さまがどのようなサービスをどのようなプロセスで活用していくことで、より高い価値を実感いただけるのかについても多くの示唆を得ることができました。お客さまにとって理想的な利用体験を描いていく上で、大きな気づきになったと感じています。

図2:利用商材数×継続率/併用効果の見られた5商材(振り返り資料 p8/実数はモザイク)

井達様 この期も、商材ごとに取得できるデータが異なる中で、どのように共通キーをもとにデータを統合し、分析できる状態に持っていくか。ここは、KOMMONSの皆さんと日々お話をしながら進めていきました。

白神様 結果として、相性の良い商材の組み合わせや、継続利用の高い傾向など、これまで現場で感じていた内容と一致する結果が多く得られました。

ただ、今回重要だったのは、そのような経験則や仮説をデータによって客観的に確認できたことだと考えています。これまで感覚的に捉えていた事柄に定量的な根拠が加わることで、組織として共通認識を持ちながら議論できるようになりました。また、今後の事業検討を進める上でも思い込みや経験だけに頼るのではなく、一つひとつの仮説をデータに基づいて検証しながら意思決定を行う土台ができたことは大きな成果です。その結果、より納得感のある形で施策や投資判断を進められるようになったと感じています。

白塚 第3期は、その「なぜ」を、お客さまの声で確かめにいきました。

栗原様 第1期・第2期を通じて、どのような顧客体験やサービス利用パターンが複数サービスの利用につながりやすいのかについて、多くの示唆を得ることができました。

ただ、それはあくまで結果として見えている事実です。お客さまが実際にどのような課題意識や期待を持ち、なぜ複数のサービスをご利用いただくに至ったのかという背景までは、データだけでは十分に読み解くことができませんでした。

白塚 そこで、定性調査でお客さまの一次情報を取りにいきました。

栗原様 はい。どのような声かけで理想の顧客体験にお客さまを促していけばよいのか——その具体的な戦略に落とし込むため、KOMMONSさんに、約1,000件を超えるお客さまへ架電・ヒアリングを実施いただきました。

図3:定性調査サマリー&2大訴求軸(振り返り資料 p14/件数はモザイク)

白塚 そこで見えた「継続の本質」は、印象的なものでした。

栗原様 ヒアリングでは、「NTT東日本に任せている安心感がある」「複数のサービスをまとめて任せられて便利」といったお声を多くいただきました。こうした結果から、継続利用を支えているのは、ブランドへの信頼や担当者との関係性に加え、サポートを通じて価値を実感いただいた体験の積み重ねであることが見えてきました。

白神様 ヒアリングでは、「NTT東日本にまとめて任せられるので安心できる」といったお声を多くいただきました。
私たち自身、お客さまに提供したい価値として思い描いていたものがありましたが、今回のヒアリングを通じて、それをお客さまご自身の言葉として直接うかがうことができました。

成果実感と、これから ― 今後のサービス開発に向けた意思決定の“土台”ができた

白塚 1年半を振り返って、チームで最も変わったことは何でしょうか。

柴田様 お客さまに提供すべき価値や理想的な顧客体験について、従来は経験則に基づく議論が中心でしたが、今回の分析とヒアリングを通じて、客観的な根拠を持って説明・議論できる状態になったと感じています。

白神様 各商材を単体で見るのではなく、NTT東日本全体でお客さまに“選ばれ続ける”設計を考えられる土台ができた。ここが一番大きいと思います。

白塚 KOMMONSが支援したことで、どのような効果があったと感じていますか。

白神様 データ分析そのもの以上に、顧客理解や施策検討の進め方が大きく変わったことが一番の成果だと感じています。これまで経験則で語っていた内容を、データとお客さまの声を根拠として議論できるようになりました。また、事業の方向性についても客観的な視点で整理・検証いただけたことで、組織として納得感のある意思決定を進められるようになったと感じています。

白塚 これから、どのような取り組みを進めていかれるご予定でしょうか。

白神様 これまでの分析で得られた知見を基に、単なる施策検討にとどまらず、サービスや提供価値そのものの高度化に向けた取り組みへと発展させていきたいと考えています。今後も、お客さまが求める価値をより深く理解し、それをサービス設計へ反映することで、継続的に選ばれる顧客体験の実現を目指していきます。

白塚 最後に、同じような課題を持つ企業へメッセージをお願いします。

白神様 お客さまの顧客生涯価値最大化を進めていく中で、データを活用しながらお客さま理解や施策立案、提案活動をより客観的な根拠に基づいて進められる仕組みを構築したいと考えている企業におすすめしたい取り組みです。カスタマーサクセスの取り組みはデータに基づく意思決定を組織的に実践していくための土台づくりとして、有効なアプローチだと考えています。

白塚 解約を防ぐことから始まった取り組みが、いまは「お客さまが安心して、続けたくなる体験をどう設計するか」という問いに育っている——。今後、施策実行フェーズに移っていくなかで、どのような成果に繋がっていくのか、とても楽しみです。本日はありがとうございました。


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