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2023.02.02

CSMが社内で育つ、CSイネーブルメントの始め方 Vol.1 「ferret One」のカスタマーサクセスイネーブルメント

カスタマーサクセスの現場では、顧客の業務や導入目的に合わせたさまざまな顧客対応のスキルが求められます。対応する人によって、提案や回答の魅力度や品質に差が出てしまい、顧客の不満が発生することもよく耳にする話です。また、新しくカスタマーサクセスを始める人にとっては「求められるスキルが多く、何から始めれば良いのかわからない」「自身のレベルがどの程度なのか把握できない」というお悩みもよくお聞きします。

この様な課題への対応策として注目を集めているのが「カスタマーサクセスイネーブルメント」です。

※イネーブルメントとは、ビジネスで成果を出す社員を輩出する人材育成の仕組みです。

そこで今回は、株式会社ベーシック ferret One事業部 カスタマーサクセス部 アカウントサクセスグループ マネージャーの内野さんをお招きいたしました。ferret Oneのカスタマーサクセスイネーブルメントにおいて重要な「テレワーク環境下で1on1コミュニケーション機会を創出」する様々な取り組みは必見です!


スピーカー紹介

株式会社ベーシック

ferret One事業部 カスタマーサクセス部 アカウントサクセスグループ マネージャー

内野寛太

人材系企業で営業職・企画職を経験したのち、 2020年12月に株式会社ベーシック入社。 入社以降、一貫してハイタッチ組織であるアカウントサクセスを務める。 2021年11月から同グループのマネージャーを担当。


ferret OneはBtoB企業がマーケティング活動を行う上でのお困りごとを、まるっと解決していくBtoBマーケティングサービスです。

BtoBマーケティングを行う上で、「今のマーケティング活動をもっと効率的に運用したい」「マーケティング活動を始めたいがどのように進めたら良いかわからない」など様々なお困りごとが発生するかと思います。

それらについて、ノーコードでWebサイトやLPの作成・更新ができる「ferret One CMS」、CMSに加え、BtoBマーケティングに必要な機能を利用できる「ferret One MA」、BtoBマーケティングにおける戦略・実行までを支援する「ferret One コンサルティング」の3つのラインナップで解決していきます。

ferret Oneのアカウントサクセスグループが目指している状態

私が自部署で目指しているのは「新メンバーが『自分で組織課題を設定できる』状態」です。難易度は高いですが、全員がいずれかのプロジェクトでリーダーとして組織を牽引する。これが、私たちの組織フェーズで求められている状態だと考えています。

だからこそ、入社後最初の数か月間においては手厚いフォローが重要だと感じており、そのための取り組みを数多く取り入れました。

その上で、新メンバーには主体性をもって情報をとりにいく、学びにいく、という行動をとってもらう。手厚いフォローと本人の主体性の両立によって、本当の成長が見えてくると思っています。

ここからは、ferret Oneにおけるカスタマーサクセスの考え方や組織、採用における人材要件と、入社後の取り組みについて紹介いたします。

ferret One のカスタマーサクセスとは

ferret Oneでは、顧客のサクセスを「顧客の事業におけるWebマーケティングでの成果」と定義しています。

ferret Oneを利用してもらうことで「Webマーケティングで受注や売上を獲得した」という成功体験を得ていただく。その道のりに寄り添って、顧客の事業に貢献することを目指しています。

そのために、私たちはツールの活用支援にとどまらず、ツールの導入前における顧客の戦略設計から伴走サポートを実施しています。例えば、3C分析やターゲット設定といった初期戦略設計から、サイト制作、マーケティング施策の設計などです。

私たちはカスタマーサクセスのSTEPを以下のように定義しています。

1. 目標設定
2. 施策の決定
3. ferret Oneの操作習得
4. 施策の実行
5. リードの獲得
6. 受注発生
7. リード獲得目標件数達成
8. 受注目標件数達成

上述のとおり、ツールのセットアップはSTEPの一部でしかありません。サービスが利用できるようになった、その先に、いかにマーケティングとしての成果を広げていけるか。顧客のサクセスに寄り添って支援をしています。そこが私たちのカスタマーサクセスの特徴です。

ferret Oneのカスタマーサクセスについては、こちらの記事もご覧ください。

https://note.com/seizecnt/n/n7bb0438887ae

アカウントサクセスグループの役割範囲

カスタマーサクセス部では、さまざまなグループで顧客の伴走サポートをしております。はじめはオンボーディンググループが約半年間のオンボーディング支援をおこないます。

十分なオンボーディング期間を経た後に、ようやく顧客の目標達成に貢献する、非常に重要なフェーズをご支援させていただいているのが、私の所属するアカウントサクセスグループです。

アカウントサクセスグループは2019年5月に立ち上げた比較的若い組織です。最初は2名体制で始まり、顧客行脚で泥臭く顧客理解を深めながら、徐々にステップを進め、メンバーを増員しながら成長を繰り返してきました。3年経った今では、マネージャーを含めて6名体制でアカウントサクセスグループを運営しています。

カスタマーサクセスマネージャー採用における人材要件

ferret Oneのカスタマーサクセスマネージャーとして成長していく上で、難しいポイントを以下にご紹介します。

1. さまざまな業界に対する理解
2. マーケティング領域における理解
3. 多機能なプロダクトに対する理解

上述した3点を掛け合わさる形でキャリアが形成されていることから、カスタマーサクセスマネージャーの採用とイネーブルメントは非常に困難です。

参考として、ferret Oneのカスタマーサクセスでは、人材要件を以下のように定義しています。

強調している箇所(ピンク色の文字)が組織で注力しているポイントです。アカウントサクセスグループでは、「関係構築力」「課題抽出力」「課題設定力」といった、顧客とのコミュニケーションや提案における能力を重視します。そのような能力を持ち、カスタマーサクセスの経験が豊富で、さらにマーケティング知識も有している方は、そう簡単に採用できないのが実状です。

このような背景から、私たちは、顧客とのコミュニケーション能力を重視して、法人営業経験者をメインターゲットの1つとした採用活動をおこなっていました。SaaS・カスタマーサクセスやマーケティング領域の経験はなくとも、そこは入社後にインプットしてもらう分野と捉え、顧客コミュニケーションの経験を重視した判断でした。

カスタマーサクセスイネーブルメントの取り組み

前述の通り私たちは、入社後に一定の業務に必要なインプットを行う前提で新しいメンバーを迎えていました。そのため、入社後のイネーブルメントにおいては、仕組みや体制を整備することに注力しています。(それでも1人前になるには、入社して6〜10ヶ月程度の期間が必要です。)

特に、テレワーク環境下においては、先輩やマネージャーが新しいメンバーの状態を把握できなかったり、新しいメンバーが先輩やマネージャーに質問や相談をする際に「何か相談しづらい」「質問しづらい」といった心理的な壁ができてしまうことから、進め方が難しくなりました。

ここからは、入社後のイネーブルメントにおいて、私たちが工夫している取り組みを紹介していきます。

イネーブルメントの取り組み① ウェルカム出社

配属された方々に活躍していただくためには、入社直後の受け入れが重要です。そのような中で、テレワーク環境下での受け入れは非常に大変でした。そこで、行なった取り組みが「ウェルカム出社」です。

具体的には、入社直後の2週間、マネージャーと新メンバーは出社を原則義務化し、お互いにコミュニケーションがとりやすい環境としました。他のメンバ―も都合があう場合は、出社をお願いしています。

テレワーク環境下における心理的な壁を無くし、できる限りストレスを軽減した関係性を構築していく。そのために、最初の2週間はオフラインでコミュニケーションをとっていくことが大事だと考えました。

イネーブルメントの取り組み② 毎日1on1MTG

入社してから3ヶ月の間、マネージャーと新メンバーで毎日1on1MTGを行なう取り組みです。(週に何日かはマネージャー以外の先輩メンバーと新メンバーの1on1MTGとしています。)

前述したウェルカム出社と同様、入社直後の不安解消効果があると考えました。それに加えて、入社直後のメンバーはインプットが多いため、質問がしやすい環境を作るために、毎日30分のMTGをスケジュールしています。

イネーブルメントの取り組み③ 学んだことをシェアする場

入社直後はインプットが多くなりがちですが、その一方でアウトプットも重要です。そこで、入社してから3ヶ月の間、組織の週次MTGで、新メンバー本人から「学んだこと / やったこと / チャレンジしたいこと」をシェアしてもらっています。

オフラインのオフィスであれば、何ができて何が未習得なのかを、自分の席近くから漏れ聞こえてくる声で先輩メンバーが把握できますが、テレワーク環境下だとそういったことも困難です。そのため、MTGでシェアをおこなってもらい、新メンバーの状況を先輩メンバーが把握し、フォローしやすい状況を作るといった目的で取り組んでいます。

イネーブルメントの取り組み④ 案件レビュー会

立ち上げ期の組織では多い悩みだと思いますが、マネージャーがプレイングマネージャーのスタイルで活動していると、新メンバーが多くなった際にマネジメントに割く時間の確保が難しくなってきます。それに加え、マーケティング未経験メンバーが多い中で「施策立案の考え方や伝え方」「案件全体の進め方」の習得に時間を要するという課題がありました。

このような課題を解決する方法として「案件レビュー会」を開催しています。

これは、自分の担当案件について共有する場です。チャレンジしてみてうまくいったこと、進め方について困っていること等を共有することで「個人の知をいかに組織の知にしていくか」をテーマとして開催しています。

ルールとしては、以下の3つだけです。

1. 1案件あたり30分
2. 発表者は持ち回り
3. マネージャーはファシリテート優先(なるべくメンバーに議論してほしい)

上記のルールで議論することで、メンバー毎に学んだことをシェアしたり、みんなが知っているノウハウを吸収して自分の案件に活かすことができるようになります。

イネーブルメントの取り組み⑤ オンボーディングプログラム

私の所属するアカウントサクセスグループでは、立ち上げから2年経過し、3名体制から増員を検討しなければいけないタイミングがありました。その際、オンボーディングプログラムが整備されていないことが課題になり、ブラッシュアップに取り組んでいます。

取り組み内容を紹介する前に、当時どのようなオンボーディングプログラムとなっていたのかを以下にまとめました。

会社のオンボーディングプログラム

会社としてのオンボーディングプログラムは、入社オリエンテーションです。また、Welcome Box / Welcomeサイトといった「わくわくや安心感を大きく抱いて入社の日を迎えてもらう」ことを目的としたユニークな取り組みもあります。

Welcome Boxについてはぜひこちらの記事もご覧ください。

ferret One事業部のオンボーディングプログラム

事業部としてのオンボーディングプログラムは、組織毎の説明会のほか、勉強会の開催もおこなっています。スタンプラリーのように、さまざまな組織の説明会を聞いてもらうことを通して、「困ったときは誰に聞いたら良いのか」を把握してもらうことをゴールとして取り組んでいます。

アカウントサクセスグループのオンボーディングプログラム

当時のオンボーディングプログラムは、「読むべき資料」「身につけるべき業務」の習得状況をまとめたチェックリストを用意していました。しかしながら、実行にあたっては、チェックリストの内容やスケジュールの考えが甘く、実態とのギャップを先輩メンバーや上司のアドリブでカバーしており、プログラムが機能していない状態でした。

当時、立ち上げから2年経過し、3名体制から増員を検討しているタイミングがありました。その際、オンボーディングプログラムが整備されていないことが課題となり、ブラッシュアップを行うことになりました。

アカウントサクセスグループのオンボーディングプログラム改善プロジェクト

私たちは、オンボーディングプログラムをブラッシュアップすべく、5つのSTEPで取り組みをおこないました。

STEP1: ferret Oneのアカウントサクセスとして必要なスキル・知識の整理
STEP2: 必要なスキル・知識に対する現行プログラムの網羅性を確認
STEP3: 必要なスキル・知識と、提供している内容とのギャップを確認
STEP4: ギャップを埋めるため、具体的な施策の立案 / 改修
STEP5: 全体の内容を踏まえたスケジュールの策定

上述のSTEPをやりきったうえで、新しいオンボーディングプログラムを利用して、新メンバーのオンボーディングをおこなった結果、メンバーから以下のポジティブな声をいただきました。

先を見据えた行動ができ、不安解消に繋がった
・スプレッドシートでの一元管理ができていたので便利だった
・何をすべきか迷う時間がなかったのでストレスが無かった
・他メンバ―と同じ内容で実施したので共通認識があり、相談しやすかった

その一方で、まだまだ課題も多く、「インプットする情報量が多い」「アウトプットの機会を早い段階で設ける」「資料、マニュアルの集約」が現在の改善点です。このような改善点を継続してPDCAを回していくことで、メンバーの満足度向上と成長率向上に貢献していきたいと考えています。

本イベント内容についてより深く知りたい方はコミュニティにご参加ください!

本イベントのアーカイブ動画はCS KOMMONSのコミュニティメンバーに限定公開をしています。
イベントレポートを読んで、より具体的な話を登壇者から聞きたい方や、イベントに参加したけれども振り返りをしたい方は、ぜひコミュニティにご参加ください。すでにコミュニティに入っている方は、コミュニティポータルサイトのイベント一覧からアーカイブ動画をご覧いただけます。

カスタマーサクセスで副業案件に挑戦するならKOMMONS

株式会社KOMMONSは「働くを、傍楽(ハタラク)に」というVisionの元、国内最大級のカスタマーサクセスコミュニティを基盤に、カスタマーサクセス特化型の業務委託人材のマッチング・コンサル支援サービスを提供しています。

急速に拡大しつつあるカスタマーサクセス市場において、即戦力の人材を採用するのは非常に困難です。弊社では、オンラインコミュニティに登録する1,000名以上のカスタマーサクセス人材に向けて、カスタマーサクセスの副業案件を紹介しています。

また、カスタマーサクセスの副業案件に興味をお持ちの方に向けて、経験豊富なKOMMONS担当者による1on1のお悩み相談や採用面談フォロー、副業案件着手後のフォローも可能です。副業先との採用面談をする前のプロセスから寄り添うことで、カスタマーサクセス人材の成長に伴走し、必要に応じて適切なスキルセットの案件を副業・業務委託・転職といったさまざまな形で紹介することができます。カスタマーサクセスの副業にご興味がある方もぜひこちらからコミュニティにご参加ください