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継続率99%を達成した、SmartHRのカスタマーサクセス組織の変遷

カスタマーサクセスチームの施策は、定例のミーティングをはじめとしたハイタッチでの顧客支援から、動画・記事等のコンテンツによるテックタッチの活動まで非常に多岐にわたり、それらの施策を実行できる多様なスキルを持った人材が必要になります。

そんな中、「最適な分業方法や組織体制が分からない」といったお悩みをよくお聞きします。そこで今回は、株式会社SmartHR カスタマーサクセスオペレーションの長谷田さんにご登壇いただき、カスタマーサクセス組織体制の変遷と、裏側の経緯や戦略についてお話いただきます。


長谷田 貴史:大学中退後、個人事業主としてキャリアをスタート。2015年までの法人化までの期間にECの運営や会社経営を経験する。2015年にデザイン会社へ入社し、プロジェクトマネージャーを経て、自社SaaSサービスのCS Leadとしてカスタマーサクセスの組成に携わる。2017年に転職し、BtoCサービスでオペレーションマネージャーを務める。2019年9月に株式会社SmartHRへ入社し、カスタマーサクセス オペレーションを担当した。現在はカスタマーサクセスのオペレーションとコンテンツを管轄している。


まずサービスの紹介をさせていただくと、SmartHRは人事労務や人材マネジメントのSaaSです。SmartHRは人事情報を収集して書類を自動作成、オンラインで申請できる、というのがスタートになっています。従業員様の情報がデータベース化されていき、人事情報として活用できるサービスです。企業の担当者様だけでなくその先の従業員の方にも使って頂く、BtoBtoE(Business to Business to Employee)で、業種や業界を問わない、Horizontal SaaSでもあります。

SmartHRの組織についてお話しさせてください。現在SmartHRではコーポレート、プロダクト、ビジネス3つのセクションに分かれていて、カスタマーサクセスはビジネスセクションに属しています。今現在94名の従業員で構成されていて、内定者を含めると104名になっております。

組織を変えるタイミング

SmartHRでは事業のフェーズに合わせて組織の体制も変えて、人数も増加していきました。

事業フェーズに合わせてカスタマーサクセスに求められる役割も異なってくるので、今のフェーズでやるべきことに集中しながら次のフェーズに合わせて準備する必要があります。カスタマーサクセスが後手に回ってしまうと、事業成長の大きな阻害要因になってしまう可能性もあるので、皆さん共通の課題だと思います。

顧客が増加していくにあたってCSMが足りない、コストを抑えたいという考えは皆さんあると思うのですが、これは顧客には関係ない話なので、顧客のためにカスタマーサクセスをスケールする、というのが大事です。弊社ではこの考えの元、組織を作っています。

今回は、組織の立ち上げ→PMFの模索→PMFの達成→事業のスケールの4つフェーズに分けて、KPIを考える上での気付きとなればと思い、お話しをさせていただきます。

組織の立ち上げ(0→3人)

組織の立ち上げ段階では、顧客が本当はどのような課題を抱えているのか模索しているタイミングです。顧客がどういったペインを持っていて、何を解決していくか、顧客に寄り添える人が必要です。このタイミングで気を付けなければいけないことは、目の前の顧客の課題を深く知っていく、顧客と深い関係構築をするということであって、Churn Rateを目標に設定する必要はないです。

プロダクトだけでは解決できない問題もあるので、プロダクト外のサービスも含めて、手段を選ばずオンボーディングをしていくことが必要になっていきます。

やった方がいいこと

  • セールスやプロダクトとCSの役割について共通認識を持つ
  •  顧客と仲良くなるというレベルで関係構築する
  • 手段を選ばずにオンボーディングを完遂させる
  • ハイタッチ施策に全振りする

避けた方が良いこと

  • Churn Rateを目標に設定する
  • テックタッチ施策を始める
  • 顧客の声を整えて共有する
  • 解約を防ぐためにリソースを割く

PMFの模索(3→10人)

この段階では、利活用に必要な要素を見つけて成功事例を獲得することが重要になってきます。このタイミングでは、成功、失敗のパターンを社内で分類して、共有することが必要になります。オンボーディングの件数をこなせる体制作りをすること、Churnの要因分析をCSだけでなくセールスと共にやっていくことが必要です。

そろそろ顧客の数も増えてきているはずなので、顧客の情報をストックする方法を考えなければなりません。

やった方がいいこと

  • オンボーディングの件数をこなせる体制を作る
  • オンボーディングの成功・失敗パターンを逐一共有する
  • よくある質問をコンテンツに置き換える
  • Churnの要因分析をセールスと一緒に実施する

避けた方が良いこと

  • エクスパンション(アップセル)を目標に設定する
  • CSの仕事の9割以上をオンボーディングに割いている
  • 顧客を特別扱いし、イレギュラー比率が高い
  • 状態が把握できていない顧客が存在する

PMFの達成(10→20人)

PMFの達成というタイミングでは、より効率性・再現性を高めて、型を作っていくことが重要になります。1人が担当できるオンボーディングの数や、スピードを意識して、効率を高めていくフェーズです。

NRR向上に向けて、エクスパンション、アップセルを考えていかなければいけません。NRRそのものを追う必要はないですが、追える体制作りをはじめていきます。

このタイミングでオペレーション専任を置きました。オペレーションを構築するにあたって、やることは無数にあるのですが、注力領域を絞ることが大切です。

SmartHRでは、継続率の向上、エクスパンション、イネーブルメントという3つの領域に注力することを決めました。特に、継続率の向上は事業としても組織の存在意義としても土台になる部分なので、最優先の部分でした。

さらに、プロダクトが増えていく中で、エクスパンションの部分は、顧客の課題把握や、商談など含めて形を作っていく挑戦領域です。イネーブルメントによって上記の二つをより強固にしていく、というイメージでした。

ウェビナーなど、チームで複数の顧客を担当していく、というような施策なども重要になってきます。

やった方がいいこと

  • 顧客セグメントに応じた対応方法が取れている
  • オンボーディングの型化により効率性と完了率が向上している
  • リニューアルに向けたアプローチが定常的に行われている
  •  1:N型、N:N型のCS施策が行われている(ウェビナーなど)

避けた方がいいこと

  • マネージャーがプレイングしている
  • オペレーションを担うチームが立ち上がっていない
  • リニューアル後の顧客にタッチできていない
  • コンテンツの追加・アップデートが追いついていない

事業のスケール(20→50人)

事業のスケール段階では、サービスレベルを向上させながら、新規顧客獲得と既存顧客維持の両輪を回す必要があります。様々なところで活用できるコンテンツを作って、定性的にも定量的にも分析して改善し、顧客に提供していくことが重要です。そうすることで、よりCSMが注力するべきところにリソースを割けるようになります。

ここで、属人的な仕事をなくしていくために、新メンバーのオンボーディングマニュアルを作って、逐一更新していました。

やった方がいいこと

  • 役割に応じて専門性を持ったチームが稼働している
  • コンテンツへのフィードバックループが回っている
  • マーケティングやコミュニティの取り組みが進行している
  •  新メンバーの早期戦力化が達成できている

避けた方がいいこと

  • チームリーダーが不足している、或いは権限委譲できていない
  • CSMの役割が多岐に渡り、個人に高いスキルが求められる
  • カスタマーサクセスの採用が計画通りに進まない
  • 業務効率化に繋がるツール導入などに投資ができない

スケールする組織づくりに欠かせないもの

変化することを前提にする

なぜ組織を変えていかなければならないのか、自分たちは変わっていかなければならないのか共通認識を持つことが必要です。積極的に権限委譲して、属人的な仕事を無くしていくことで、柔軟な組織にしてきました。

また、次のフェーズで起こることを予測してこれからどのような変化があるだろうか、ということをオープンに議論することによって、マインド面でも変化に対して前向きになることが必要です。

チームで働く技術を高める

フェーズが移行するにつれて、ハイタッチでうまく行ったことを仕組み化する、プロダクトやコンテンツに落とすことが必要になってきます。

チーム全員で採用に取り組み、採用の際に変化する組織であることをしっかり伝えることで、認識のズレを無くしています。

顧客の成功と自社の成長を同時達成する

事業や組織がスケールしても、顧客体験を損なわないことを達成するために何ができるか、全員で考えていくことが重要です。

コンテンツやオペレーション構築に積極的に投資し、事業フェーズの成長に合わせて半歩先回りした体制作りをすることで、顧客の成功と自社の成長を両立させていきます。


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株式会社KOMMONSは「働くを、傍楽(ハタラク)に」というVisionの元、国内最大級のカスタマーサクセスコミュニティを基盤に、カスタマーサクセス特化型の業務委託人材のマッチング・コンサル支援サービスを提供しています。

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