2025.05.29

難易度の高いCS業務をBPOで解決。CSプロ人材が半分の期間とコストで自走を実現【株式会社リーディングマーク様】

目的

  • カスタマーサクセスチームのリソース強化
  • 限られた正社員のリソースを適切に配分する

課題

  • お客様数増加に対するリソース不足
  • 高度なCSスキル育成の難しさ
  • BPO導入における品質と引き継ぎリスク

効果

  • 短期間での自走体制を実現
  • お客様の期待を超える支援の実施
  • 社内のCSレベルアップへの相乗効果

急成長してく組織の中で、社員の教育に大きな課題を感じていた

自己紹介をお願いします。

谷さん:株式会社リーディングマークの谷と申します。2017年に新卒でパーソルキャリア(旧インテリジェンス)に入社し、最初から新卒採用に従事してきました。最初の2年半はビジネス職向けリクルーターとして、学生との面談や採用活動に取り組み、自社の魅力を伝えながら採用目標達成に向けた営業的な役割も担っていました。

その後、エンジニア新卒採用の立ち上げに携わることになり、プログラミングを独学しながら、インターン設計や採用プロセス全体の設計にも関与。プロジェクトのオーナー的な立場を任されました。

さらに、社内の新規事業立ち上げにも参加し、大学低学年向けタレントプール構築サービスに関わる中で、カスタマーサクセス(CS)という職種に興味を持つようになりました。顧客課題に寄り添いながらプロダクト改善にも関われる環境に惹かれ、CSを軸にキャリアを考え始めました。

その後、リーディングマークに転職。入社後はカスタマーサクセスとして、まずはSMB中心の顧客支援を担当し、2年目以降はエンタープライズのお客様も担当させていただいておりました。マネージャー就任後は、プレイングマネージャーとして案件管理やチームマネジメントを行いながら、アップセル・クロスセル目標も含めたARR達成に向けた取り組みを進めています。

入社当時の状況と現在のミッションについて教えてください

谷さん:リーディングマークに入社した当初は、事業部長、ミキワメのアルゴリズムを作った臨床心理士、現事業責任者、マーケティング責任者、そして私の5人という体制で、ほぼゼロから準備を進めている段階でした。それぞれ役割もバラバラで、かなり属人的な動き方をしていた時期ですね。

今ではカスタマーサポート担当も含め、部署全体で約20人、派遣スタッフを含めるとオフィス全体で25人規模にまで成長しました。

部門全体での最大のミッションは、更新(リニューアル)によるARRの積み上げです。以前は何社中何社が更新したかという社数ベースでリニューアルレートを追っていましたが、ARR(年間経常収益)ベースでの管理に切り替えています。どれだけ目標ARRに対して更新できたかが最重要指標になっています。

アップセル・クロスセルによるARRの積み上げもミッションの1つだったため、既存顧客の課題に深く入り込み更なる課題解決に向けた提案活動も行っておりました。

あわせて、お客様からいただいた声をプロダクト改善に還元する役割も担っています。Slackのワークフローを使ってフィードバックを収集し、それをPdMが確認してロードマップに反映しています。CSマネージャーや部門長以上とPdMが週2回ミーティングを行い、プロダクト成長にも積極的に関わっていますね。

3年目で5人から25人の組織へと急拡大していく中でどういった課題がありましたか

谷さん:組織が成長していく中で、やはり育成にはかなり力を入れています。

ただ、難しい点は、動画などで教材を整備しただけでは本質的な育成にはつながらないことです。
私たちの役割は単にプロダクトを説明するだけでなく、お客様の課題を引き出し、それに対して適切な提案を行うことです。これを身につけてもらうには、単なる座学だけでは不十分だと痛感しました。

現場では、フィードバックを充実させるために色々と工夫をしてきました。たとえば、最初は個別でフィードバックしていたのですが、途中から「マネージャー以上+新人メンバー」の専用チャンネルを作り、そこで必ずフィードバックを共有することで、他のメンバーがどんなフィードバックを受けているのかも見える形にして、相互理解を促す取り組みも重ねてきました。

また、ミキワメのプロダクト自体が「オンボーディングすればOK」というタイプではなく、離職やミスマッチといった本質的な課題に向き合うことが必要です。ただツールを使えるだけでは不十分で、どうしてもコンサルティング的な支援も求められるため、メンバーの育成には常に難しさを感じています。

ハイレイヤー人材を大量に採用できるわけではないので、入ったメンバーと共に成長していくしかありません。お客様の期待値と、メンバーのスキルレベルのギャップを埋めるために、試行錯誤を続けてきましたね。

増えていくお客様に対して採用が追いつかず、初めてカスタマーサクセスでのBPOを検討し始めた。

BPOを考え始めた背景を教えてください

谷さん:当時は、カスタマーサクセスの担当社数がどんどん増えていく一方で、採用が追いつかないという課題がありました。これが、正直なところ最初にBPOを検討し始めたきっかけです。

基本的にすべてのお客様にカスタマーサクセスをつける運用をしていましたが、当時は単価に応じて支援回数を調整することも試みたものの、なかなかうまくいきませんでした。ミキワメ自体が使いこなすのが簡単ではないプロダクトだったこともあり、サポートを減らすと実装が進まず、結果的に解約につながるリスクも大きかったためです。

そのため、比較的プロダクトの相性が良いお客様や、ARRインパクトが小さいお客様に対して、外部の方をアサインするイメージを持っていました。育成にかけられる時間も限られると考えていたので、正社員がよりARRインパクトの大きい案件に集中できる体制を作りたいという構想がありました。

そういった背景から、まずは工数をどう補うかというのが、BPO導入を検討する最初の動機だったと思います。

KOMMONSを選んだ決め手を教えてください

谷さん:弊社のカスタマーサクセスは難易度が高いです。正社員がフルコミットして育成しても、立ち上がりに時間がかかるため、HR領域やSaaS領域、そしてコンサルティング的な支援経験がある方でないと難しいだろうと想定していました。

また、実際にお会いして、その方がどのような人柄か、一緒に働けるかどうかをすり合わせることも大事にしていました。当時は、カスタマーサクセス領域でBPOを導入するのが会社として初めてだったので、担当者への信頼はもちろん、仮に引き継ぎが必要になった場合にスムーズに連携できるかどうかも重要な論点でした。

KOMMONSさんについては、事前面談もでき、経歴も確認できたうえで、ご対応も非常に丁寧だったため、ほぼ迷うことなく「この方にお願いしたい」と判断しました。経験値や人柄など、総合的に見ても、他の候補と比べて、圧倒的にレベルが高いと感じたのが決め手です。

実際にBPOしてみると、立ち上がりの早さに驚き。2倍のスピード、半分のコストで自走可能に。

BPOの人材がジョインするにあたってどのような流れで進められたのですか?

谷さん:最初は、うちの正社員のリーダークラスが同席する形で支援をスタートしました。ただ、2〜3ヶ月も経つ頃には、難易度がそれほど高くない打ち合わせであれば、一人でも対応できるのではないかという話になり、単独で担当していただきました。

もちろん途中でスピーカーとしてサポートに入る場面もありましたが、基本的には一人で打ち合わせに臨んでもらう体制にシフトしました。

そこからはずっとお一人で案件をお願いする流れです。最初の頃は、インパクトの小さい案件を中心に割り振っていましたが、直近では難易度が少し高そうな案件にも入ってもらうことが増えています。

エンタープライズ案件については、まだ慎重に割り振っていますが、それ以外の案件については、多少難易度が高くても「お願いできますか」という形で依頼できるケースが増えていますね。

BPOを行う上で期待していたことと、実際の効果について教えてください

谷さん:僕らのサービスは単に「使えるようになればOK」というものではないので、そこを満たすだけでは価値提供にはならないと考えています。カスタマーサクセスを続ける上でも大事にしているのは、「期待を超える」という弊社のバリューです。ジョインしていただく方にも、そこまで踏み込んだ支援をしてほしいと思っていました。

もちろん、契約上の稼働時間は守る前提ですが、「ここまでしかできません」というようなドライな対応だけでは、お客様の期待を超えることはできないと考えています。場合によっては少しイレギュラーな対応が必要になったり、追加でフォローが必要になる場面もありますが、そこにも柔軟に対応してもらいながら、「今この提案をした方がいい」というような一歩踏み込んだ支援をしてほしいと期待していました。

実際に担当していただいている方については、そこをしっかり体現してくれています。たとえば、お客様から「研修もやってほしい」という依頼を受け、有料でもいいからお願いしたいと言われるほど信頼を得ています。これまでうちのCSでもあまりやってこなかった領域だったので、そうした新たなチャレンジに取り組んでくださっていることは、期待していた以上の価値ですね。

結果的に、担当していただいている方の動きが、他のメンバーにも良い気づきを与えてくれるようになった点も、非常にありがたく思っています。

谷さん:また、実際に稼働して頂いてからも、立ち上がりの早さに驚いています。弊社では、完全に一人ですべての打ち合わせをやり切れるようになるまでには、半年近くかかるものです。検定のような基準を用意していて、たとえば1ヶ月目でキックオフミーティングができるようになる、という目安を設けていました。

弊社は、最初の段階でお客様の状況を分析し、それに基づいて課題解決を提案するスタイルをとっています。2ヶ月目ではその分析ができるようになり、4ヶ月目には「採用基準をこう作るべきだ」「このサーベイを活用して離職を減らしていくべきだ」といった提案までできるようになるイメージでした。正社員であれば、毎日振り返りをしたり、毎週1on1をしたりとしっかりと教育コストをかけて、早い場合であれば3ヶ月、通常であれば4ヶ月ぐらいで難易度の高い打ち合わせにも対応できるようになり、半年後にはほぼ完全に自走できる水準に達する、という想定です。

実際には、BPOで入って下さった方は、3ヶ月目くらいから僕らが同席する機会もほとんどなくなりました。正直なところ、しっかりとロープレをしながら体系的に教育できたとは言えないのですが、工数を考えればそれでもおよそ半分ほどのかなり短い教育期間と少ないコストでここまでキャッチアップしてもらえた印象があります。

KOMMONSをオススメするとしたらどのような会社様ですか

​​谷さん:前提として、KOMMONSさんには色々な方がいらっしゃるので、正直そこまで「合わない会社」というのはないのではないかと感じています。どんな会社にもフィットできる柔軟さがある印象です。

ただ、僕らと近いタイプの、まだCSにおけるBPO受け入れの体制がそこまで整っていないフェーズの会社には、KOMMONSさんには自走できる優秀な方、そして信頼できる方がいるので、特に相性は良いです。 実際、僕ら自身もBPOする体制が整っているとは言えない状況でしたが、それでも期待以上に成果を出していただいています。

結論、これからCS体制を強化していこうというフェーズの企業とは、特に相性が良いのではないかと感じています。

今後のKOMMONSに期待することはありますか

谷さん:カスタマーサクセスの知名度がまだ高くない会社にとっては、KOMMONSさんを通して「この会社のカスタマーサクセスに行きたい」と思ってもらえるような採用や広報活動につなげることもできるのではないかと考えています。

KOMMONS のイベント等で話した内容が「うちのカスタマーサクセスはこういう取り組みをしている」という形でブランディングに活用できれば、採用面にも有利に働くのではないかなと。
KOMMONSさん自体がもっと有名になるに連れて、そこで話している個人のブランド価値も一緒に上がっていくのではないかと思うので、そこの部分を期待していますね。

ありがとうございました。