新卒から法人営業、企画とキャリアを進め、顧客として受けたカスタマーサクセス体験に刺激を受け、CSとしてのキャリアをスタートした内野（うちの）寛太さん。

現職では、カスタマーサクセスチームのマネージャーとして活躍する内野さんに、過去のキャリアとCSとのつながりや、ご自身の仕事の原動力についてお話を聞いてきました！

【1】内野さんのご経歴

新卒で人材系企業に入社。採用代行事業の法人営業として、キャリアをスタート。同社で営業企画、事業企画、経営企画を経験。
当時ユーザーとして利用し、CSからの支援も受けていたWebマーケティングサービス「ferret One」を提供する株式会社ベーシックに転職。
カスタマーサクセスとしての経験を積んだ後、株式会社スカイディスクへ入社。現在はDX事業部で「最適ワークス」のカスタマーサクセスチームでマネージャーを務める。
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【2】営業、企画そしてカスタマーサクセスとの出会い

内野さん、本日はよろしくお願いします。
最初に簡単な自己紹介と、今回のインタビューを受けていただいた理由をお伺いできますか。

株式会社スカイディスクの内野です。現在はDX事業部というSaaSプロダクトを扱う事業のカスタマーサクセスチームでマネージャーを務めています。
入社してからずっとカスタマーサクセスチームに所属し、一年と少し経ちました。現在は5人のメンバーと一緒に「最適ワークス」を導入いただいたお客様の導入支援をしています。

今回のインタビューを受けたのは、KOMMONSさんに普段から色々とお世話になっているので、何か力になれることがあればと思ったのが一番大きいです。

現職は3社目だと思いますが、これまでのキャリアや、CSに興味を持つようになったきっかけについてもお聞かせください。

まず1社目は、人材業界からキャリアを始めています。
IT業界でも、当然SaaSでもなく、まだカスタマーサクセスについても知りませんでした。

いわゆるRPOと呼ばれる採用代行の領域の会社で、正社員の新卒や中途採用のRPOは当時もプレイヤーが多かったのですが、アルバイト・パート領域のRPOというニッチな分野で事業をしている会社に新卒で入社しました。
お客様はアルバイト・パートを多く採用される法人様、つまり主にサービス業などで全国にチェーン展開している企業様や、多数の店舗をお持ちの企業様が多かったです。
そうした企業様に対して、求人広告を出稿する業務や、求職者からの応募を受け付ける業務などのノンコア業務を代行し、新たに特定できた採用課題に対してコンサルティングや追加の代行支援を提供するという事業でした。

最初の約2年半は法人営業として、チェーン展開されている企業様の人事部の方や、フランチャイズ展開されていればフランチャイズ営業部のような部署の方とコミュニケーションを取りながら、採用活動のオペレーションをどう組んで、どの範囲を代行するのか、もっと成果を上げるためにどういうことができるのかを考えて提案するということを、新規のお客様との商談を通して行ったり、既存のお客様との定期的な打ち合わせの中で行ったりしていました。

どちらかといえば、導入後のお客様の支援の割合の方が多かったので、振り返ってみると、カスタマーサクセスのような要素を持った業務でした。
当時はまだカスタマーサクセスという概念のことは何も知らない状態でしたが、今思えばカスタマーサクセスとしての入口にはいたのかもしれません。

法人営業を経験した後、3年くらいは営業企画と事業企画、経営企画のような業務をしていました。
営業企画としては、営業の後方支援として取り扱う商材の情報を整理したり、SFA導入や営業活動管理のルール決めなどをしていました。
事業企画としては、自社のPLを月次・週次で集計したり、取締役会での業績報告パートの資料作成を行い、経営企画的な側面としては、当時、ホールディングス傘下に事業会社が十数個あったので、それぞれのセグメントにわけた時のIRの元になる情報の取りまとめなどをしていました。

あるタイミングから営業企画としての業務の1つで、Webマーケティングに取り組むことになり、その際に導入した「ferret One」を提供していた株式会社ベーシックへ、後に転職することになります。

サービスを利用していた当時は、カスタマーサクセスの方から、どんなお客様にどんな価値を訴求するのか、毎月どんなマーケティング施策を回していくのかなど、色々なアドバイスを受けたり、支援をしていただいていました。

受けていた支援の品質がとても高いと感じていたこと、かつ中心となって活躍している方々が自分と同世代か、下の世代の若い方々が多い印象がありました。その後自分が転職を考えたタイミングで、そうした優秀な方々と一緒に働けたらとても刺激が大きく、今後のキャリアにとってもよさそうだなと思い、自ら応募し、選考を受け入社しました。

そうした経緯ですので、カスタマーサクセスという職種を狙って転職したり、なりたくてカスタマーサクセスという職種を選んだというよりも、自分と接点があり、一緒に働きたいと思った方々がカスタマーサクセスであったということですね。

あとは、法人営業時代に自分で顧客を担当し、定期的に打合せをしてきた経験との親和性も高い職種だと思ったので、カスタマーサクセスへのチャレンジを選びました。

【3】製造現場の属人化と最適化の課題に価値を届ける

現職で携わっている事業についても詳しくお伺いできますか。

最適ワークスという製造業のお客様向けSaaSに携わっています。
いわゆるバーティカルSaaSにあたりますが、製造業のなかでも生産計画という領域をシステムとして運用していくためのSaaSです。

生産計画というのは、製造業のお客様が「どの製品を、いつまでに、いくつ作るのか」さらにいえば、「今日、どの設備を使い、どの注文の、どの行程を行うのか」まで計画を立てていくことをいいます。
当然、会社の規模などによって状況は違いますが、今でも多くのお客様が、この生産計画を紙に書いて作成したり、ホワイトボードに磁石を使って作ったり、あるいはエクセルで細かい調整をして作っているという現状があります。

生産計画の立案業務は、非常に属人化しやすい領域です。
本当に色々なことを考慮する必要があり、他の人が把握しきれておらず暗黙知となっていることも踏まえて立てるため、どうしてもベテランの方でないとできず、紙やホワイトボードのようなアナログな手法から脱却しづらい部分があります。その上、取扱品目数の増加などが背景となり、ベテランの方でも生産計画を立案しきれないケースもあります。

ただ、生産計画が十分に機能できていなければ、この先どれくらい受注を新しく受けるキャパシティがあるのか、いつ頑張らないと納期に遅れてしまうのかというような、先を見通した活動が色々とできなくなってしまう重要な部分でもあり、生産計画に問題を抱えていらっしゃる企業様は多くいるのも現実です。

そのため、最適ワークスを使って生産計画をシステムで立てられるようになることで、計画を立てる工数・時間が削減されること、また属人化が解消されるのが最初に得られる効果です。
その先には、先を見通して納期を回答し、新しい注文を受けられるようになったり、人の稼働を計画的にできることで、コストが抑制できるようになるといった効果も出てくるので、そこまでを見通しながらサービス提供しているのが最適ワークスです。

【4】これからつくり上げていく面白いフェーズ

今は5名のチームのマネージャーをされているとのことですが、仕事の面白さ、やりがいはどんなところにあると感じていらっしゃいますか？
 
1つはCSそのものの面白さでもあると思っているのですが、お客様の業務上の課題や、生産計画のシステム化がうまく進むような成功のポイントなど、具体的に目の前で起こっていることを、いかに全体に反映させることができるかというところですね。

プロダクトに反映するのもそうですし、CSのオンボーディングのやり方に反映するのもそうですが、日々の現場でのお客様支援で得られた学びを、全体の抽象的な話に落とし込んで、より多くのお客様にスムーズに導入いただけたり、価値を届けられるのかという、具体と抽象を行き来する部分は、CSとしても面白い部分ですし、今の最適ワークスとしても面白いポイントであると思っています。

一口に製造業といっても、お客様によって作っている製品や使われる専門用語も違うので、表面的に見ると全部がそれぞれ違うように見えます。
ただし、それらをよくよく捉えていきながら整理をしていくと、ある程度共通していくつかのジャンルに分けられていったり、こういう場合はこういう支援をした方がうまくいきやすいというのが見えてきたりします。
みんなでそうした抽象と具体を、行ったり来たりしながらやるのが面白いなと思いますね。

あとは、プロダクトが2022年4月に正式ローンチしてまだまだ若いので、機能的に至らないところも様々ありますし、どういう風にすればお客様にとって良い運用になるのかということも、色々と議論を重ねる中でお客様から教えていただくことも多く、事業としても、カスタマーサクセス組織としても未成熟ななかで、どうつくり上げていくのかを考えることが面白さであり、やりがいだなと思います。

サービスやプロダクトとして成長していく過程を、お客様と一緒に成長しながらつくっていけるところがやりがいであり面白さということですね。
逆に、大変さや課題だと感じる部分はどんなところでしょうか。

大変だなと思うことはあまりないですね。
というのも、大変な場面というのは、どう対処すればいいのかわからないであったり、どうすればうまくいくのかわからない場面だと感じることが多いものだと思うのですが、それは個人的に先ほどのやりがいの出発点になることが多いんです。

答えがないなかで、どうすればうまくいくのかを色々と考えたり、実際にやってみてもうまくいかないこともあるものの、それは面白さを得ていく過程の1つになっているので、大変でもあるのですが、そんなに大変ではないというか、楽しくやれるポイントかなと思います。

【5】過去のキャリアがCSにも活かされている

前向きな気持ちで業務に取り組まれているんですね！
例えば現職において、1社目のようなカスタマーサクセス以外のキャリアが活きているような部分もあるのでしょうか。

色々と活きていることは多いと思います。
例えば、1社目は採用代行の仕事だったので、お客様の採用業務を1つ1つのプロセスに分解していく業務設計の部分がとても重要でした。
また営業企画としても、営業活動を可視化してマネジメントしやすくするために、新しく導入するSFAをどうやって営業メンバーに使ってもらうかのオペレーション設計と、どう実行してもらうかを考えることがとても重要でした。

カスタマーサクセスも、入り込み方はサービスによって違うかもしれませんが、どのサービスも、今ある業務のプロセスを分解しながら、よりスムーズにしたり効率化していくことになると思います。
ですので、お客様の業務プロセスを分解しながら、いかにより目的を達成するための業務を一緒につくっていくのかという部分は、業務設計をしていた時の経験が活きていると思います。

あとは事業企画や経営企画で、色んな部署と連携しながら物事を進めた経験ですね。
経営陣や営業責任者、社内の他部署を動かしていきながら、現状の数字と目指さなければいけない数字をもとに、何の施策を打っていくのかを、色んな部門と連携して議論・実行していく必要がありました。

カスタマーサクセスも事業全体への貢献を突き詰めていくと、カスタマーサクセスの部門だけで完結することはほとんどなく、営業やインサイドセールスやマーケティングなど他部門と一緒にコンテンツをつくったり、一緒にどういうお客様にどういうトークをしていけば価値を感じていただけるのかということを、目線を合わせながら取り組んでいく必要があります。

上段では同じミッションを担っているはずなのですが、どうしても部署単位だと短期的には異なるミッションを持っているなかで、どう一緒に目線を合わせたり、一緒に協力していくのかという連携も、過去の経験のなかでたくさん鍛えてもらったことが今に活きていると思います。

【6】原動力は「困っている人の役に立つ」こと

法人営業や経営企画の経験も、カスタマーサクセスに活かすことができるということですね。
最後に今後、ご自身や現職での仕事・チームとしてやりたいこと、叶えたいことがあればぜひ教えてください。

まずは今の役割のなかで、カスタマーサクセスチームを事業全体をリードしていけるような存在にしていくことを足元ではやりたいです。

カスタマーサクセスチームがどれだけ力強いかによって、事業の推進スピードが全然変わってくると思っています。
もちろん、カスタマーサクセスチームだけが偉いわけではないものの、自社プロダクトを使っていただいているお客様を、一番目の前で見ているカスタマーサクセスチームが、いかに他部門の課題や必要な情報をキャッチして、そこに対して価値を提供できるのか、一緒に連携できるのかが、みんなのための助けになると思いますし、そうしたことを高いレベルでできる組織にしていきたいです。

結果として、より多くのお客様に最適ワークスを使って業務を改善したり、たくさんの価値を感じていただけるように広げていくことができるといいですね。

あとは個人として、今カスタマーサクセスをやっていることもそうですが、基本的に自身が仕事をするなかで、やりがいを感じるのは、困っていてどうにかよくしたい、どうにか改善したい、前進したいと思っている人の助けになることが一番、働く上でのエネルギーだと思っています。

事業そのもののビジョンや、世界観だけがエネルギー源になるというよりは、助けた人の力になることが、自分の軸であることが多いと思っているので、カスタマーサクセスという領域をどこまで続けるかはわからないものの、どの領域であったとしても、目の前で困っていて何らかよくしたいと思っている人に対して、自分が役立てることを役立てる領域で、お役に立てるような働き方が今後もできるといいと思っています。

個人の想いも含め、とても素敵なメッセージをありがとうございます。
本日はありがとうございました！

さいごに

株式会社KOMMONSでは1,200名以上のカスタマーサクセスが集まる日本最大級のコミュニティ『CS KOMMONS』を運営しています。
イベントや交流の機会、キャリアが広がる機会を多く提供していますので「CSの情報交換をしたい方」、「複業・転職の機会を得たい方」などはぜひコミュニティへご参加ください！
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