カスタマーサクセスの副業とは?~ 外部人材が活躍する秘訣~

カスタマーサクセス(以下、CS)は、企業の事業内容やフェーズによって意味合いが変わり、副業として関わるのは難しいというイメージがあります。それゆえに、CSの副業は認知度が低く、経験者も少ないのが現状です。

そこでKOMMONSは、CSの副業経験者である本多由美(ほんだ ゆみ)さんをゲストに、「CSの副業とは?」というテーマでウェビナーを開催このページは、ウェビナーの様子をまとめた記事となっています。

本多さんは、現時点で3社での副業経験があり、いずれもCSチームの立ち上げに従事。KOMMONS代表の白塚が、本多さんの経験談や副業の始め方について、具体的にお聞きしました。

本多 由美

副業ではカスタマーサクセス、本業ではマッチングアプリのマーケティングに従事。過去2年半で、オンライン教育系サービス・塾向けDXアプリ・セキュリティーサービスのカスタマーサクセスチームの立ち上げを副業メンバーとしてサポート(主にB2B)。事業KGI/KPIの分解からカスタマーサクセスが担うべき「レバー」を定義するのが大好き。

株式会社KOMMONS 代表取締役 白塚 湧士

総合商社のIT部門でカスタマーサクセス/サポート領域での新規事業立上げに従事。その後業界大手のコールセンター事業者に出向し、サポートチームのマネジメントを経験。退職後にスタートアップのカスタマーサクセスチーム立上げに携わった後、カスタマーサクセス領域に特化した人材マッチング・コンサル事業を行う株式会社KOMMONSを設立。

自己紹介

白塚:本多さん、本日はよろしくお願いします!まず始めに、CSの副業について今までのご経歴を教えてください。

本多:こちらこそ、よろしくお願いします。現在、本業ではマッチングアプリの会社でマーケティングやメディアバイイングのチームを統括しています。CSの副業は2019年から始めており、現在までオンライン教育系サービス・塾向けDXアプリ・セキュリティーサービスのCS業務に携わらせていただきました。

いずれのクライアント様も、メインの事業が軌道に乗っていて、その後のオンボードやアップセルに繋がるCSチームを作りたいという要望をお持ちでした。ただ3社目に関しては、どちらかと言うとテックタッチの色合いが強かったです。

白塚:ありがとうございます。今までの3社の副業経験で、共通点や違いはありましたか?

本多:ほとんどの企業が「CSは何から始めたらいいか分からない」という状態でした。

白塚:弊社が運営するカスタマーサクセスコミュニティ「CS KOMMONS」の登録者様からも、CSについての本を読んだりはしたものの、具体的に何をしたらいいのか分からない、というお声をいただいています。

本多:やっぱりそうですよね。一方で、いきなり正社員として雇うのはハードルが高いとも感じています。CSチームの立ち上げでは、業務委託として関わって欲しいというニーズが強いんです。私がCSの副業を始めたきっかけも、CSチームの立ち上げに必要な知識を教えて欲しい、というご縁からでした。

CSの副業は可能か?

白塚:自己紹介をいただいたところで、本題に入りたいと思います。CSの副業は可能か、本多さんの経験を踏まえて教えてください。

本多:ある程度まとまった時間を確保できるなら、CSの副業は可能です。私の場合は、週に7時間程度を副業に充てています。本業と副業の業務内容を照らし合わせ、稼働できる時間を調整できれば、どなたでもCSの副業は可能だと思います。

白塚:企業によっては、副業を禁止しているところもあります。本業の会社に副業を許してもらうには、どの様にすると良いのでしょうか?

本多:前提として、日本では個人の職業選択を縛ることはできません。本業の就業規則で副業はNGだとしても、法律上は可能です。なので、まずは上司の方に相談してみてください。その際、副業を始めるメリットが伝えられると良いですね。副業の経験が本業にも活きると伝われば、上司の方も話を聞いてくれると思います。

白塚:ありがとうございます。そのほかCSの副業を始める上で、注意すべき事はありますか?

本多:本業に悪影響が出ない範囲で行うことですね。他にも、副業の内容や競合との兼ね合いなど、考慮すべきポイントはいくつもあります。

CSの副業が可能な領域

白塚:本多さんの経験上、どのような領域や業務内容が、CSの副業として関わりやすいと思いますか?

本多:皆さんのご経験にもよると思いますが、どの領域でもCSの副業は可能だと考えています。というのも、企業によってCSの状況は異なります。立ち上げ時期で知見が欲しい企業もいれば、ある程度チームが出来上がったが頭数が足りない企業もあります。今までの知識や経験、稼働時間によっては、いくらでも関われる余地があるんですよ。

ただ私の経験上、立ち上げ時期のコンサルティング業務は、副業として関わりやすいと思います。

白塚:先ほど、CSチームの立ち上げで正社員を雇用するのはハードルが高いため業務委託のニーズが強い、というお話がありました。となると、本業でマネージャー経験がある人に限られませんか?

本多:そんなことはありません。実は、CSチームの立ち上げをしたい企業は、現場経験がある人を求めています。本業は現場に入りつつ、副業で上流工程に関われば、本業に活かせる経験も沢山得られますよ。

白塚:なるほど。副業だからこそ違う業務を経験してみる、ということですね。

本多:はい。また、上流工程ならリアルタイムで関わる必要がありません。自分で時間を調整がしやすく、本業とのバランスも取りやすいです。そういう意味では、テックタッチ領域に関わるのも良いでしょう。ツールを作って運用し、レポート結果に応じてチューニングすることが業務内容なので、時間のコントロールがしやすいです。

白塚:たしかに、上流工程や技術領域なら、顧客対応も発生しないので本業とのバランスも取りやすいですよね。

本多:そうですね。もちろん、ある程度の時間拘束が可能であれば、実働部隊として関わることも可能ですよ。

CSの副業を進める上で必ず行う事

白塚:本多さんがCSの副業を進める際、必ず行う事は何でしょうか?

本多:私がCS副業を進める際、以下の3つを必ず行います。

  1. 事業KPIとCSの対応領域のすり合わせ
  2. ヘルスチェック指標とアクション
  3. 顕在ニーズと潜在ニーズの洗い出し

それぞれ、資料を活用しながら説明していきますね。

①:事業KPIとCSの対応領域のすり合わせ

白塚:さっそく、1つ目の「事業KPIとCSの対応領域のすり合わせ」について、教えてください。

本多:前提として、CSはチームの責務ではなく会社全体で目指す概念だと、クライアントに必ずお伝えしています。CSの定義は、会社の規模・事業内容・フェーズによって変わります。ただ共通して言えることは、『CSの至上命題は「自社が提供する価値を通じて顧客をハッピーにする」ということ』です。最終的にチームとしてCS全体を担当しますが、はじめは会社単位でCSを意識するよう促します。

白塚:CSは、事業を進める上で必要な一つの要素、ということでしょうか?

本多:はい。CSを会社全体で意識付けすることで、事業KGI・KPIとCSで解決する指標の関係性が整理できます。

事業構造をシンプルに分解し、CSはどの指標にフォーカスするのか、上図を共有しながらすり合わせます。

白塚:解約率を下げるのか継続率を上げるのか、企業によって重要な指標は全く違いますよね。KOMMONSのお客様でも、最初はアップセル・クロスセルを増やしたいという要望でしたが、深く課題ヒアリングをしてみると、実はその手前のリード数や解約率を改善する方が、KPI達成に効果的だったというケースも多いです。

本多:私も同じような経験がありました。CSで追いかけたい指標の認識がずれると、その後の業務も全てずれてしまいます。指標のすり合わせは、CSチーム立ち上げにおいて最も重要な工程だと思います。

②:ヘルスチェック指標とアクション

白塚:2つ目の「ヘルスチェック指標とアクション」について、教えてください。

本多:CSで追いかける指標が決まったら、それに関わる細かな指標を更に洗い出します。その後、現状はどのデータを追っているか、どのようなレポートを作成しているかをヒアリングし、洗い出した指標と合わせて、違和感がないか確認します。

白塚:この時点で、クライアントはどこに躓きがちですか?

本多:指標の洗い出しでは、同じ意味の指標を言葉を変えて出したり、そもそも候補となる指標が出なかったりします。レポートも、どの指標を改善すべきか分からず、なんとなくデータを取っているケースが多いですね。

白塚:レポートが取れていない場合、本多さんはデータの可視化から関わっていますか?

本多:良い質問ですね。というのも、副業の立場なので、そこまで関わるべきか迷ってしまうんですよただ、見るべき指標をお伝えした上で、その指標が取れる難易度はヒアリングします。取れていない指標があまりにも多い場合は、取れるものだけピックアップし、担当の方に協力をいただいてデータを出すようお願いしています。

見えるべき指標の全てにこだわってしまうと、施策の実行に移れません。コミュニケーションを取りながら、落とし所を見つけるようにしています。

③:顕在ニーズと潜在ニーズの洗い出し

白塚:では、最後の「顕在ニーズと潜在ニーズの洗い出し」について、教えてください。

本多:こちらは、導入前や行き詰まった時にワークショップ形式で行います。特にBtoBの場合は、ユーザーと意思決定者が異なることが多いです。意思決定者のニーズは何か、施策を打つ前に考える時間を作ります。ここを見逃すと、ユーザーは満足しているのに、上司や会社の方針変更で解約という事態になりかねません。

白塚:ワークショップはクライアント様の状況を見ながら実施する、ということですか?

本多:はい。具体的な施策内容を検討している時は、手段にこだわり過ぎて大事な部分を忘れてしまいがちです。そのタイミングで差し込んだりします。

参加者からのQ&A

白塚:本多さんからCSの副業について、様々な経験談をお聞きしました。最後に、参加者からの質問にお答えしていただきます。今回、3つの質問が集まりました。

  • クライアント情報のインプット時間はどのくらい?
  • CSの案件を取るためのマインドセットは?
  • 本業とのバランスの取り方は?

本多:ありがとうございます。どれも良い質問ですね。一つずつ、丁寧に回答したいと思います。

クライアント情報のインプット時間はどのくらい?

白塚:1つ目は、「クライアントのビジネス理解・プロダクト理解・人材理解へのインプットに、どのくらい時間をかけますか?」という質問です。

本多:とても重要な事ですが、時間をかけ過ぎても次に進みませんよね。私の場合は、打ち合わせの時間を週1回はいただき、最初の3〜4回を現状把握に費やします。2ヶ月目前半で具体的な施策を決めて、3ヶ月目辺りから施策を始める、という流れですね。もちろん、現状把握の途中で、実施できる施策が出てきた場合は、その時点から進めておきます。

白塚:ある程度の期間を決めておき、必要に応じて実施可能な施策を始める、ということですね。

本多:はい。実際にやった方が得られるものが多いので、出来る事が分かった瞬間に進めるよう努めてます。

CSの案件を取るためのマインドセットは?

白塚:2つ目は、「CSの副業が一般的ではない中、案件を受ける側として意識していることは何か?」という質問です。こちらはいかがでしょうか?

本多:一見、CSに関係ないお話をいただいたとしても、必ず聞くようにしています。先ほども言ったように、CSの定義は会社によって異なるため、副業として入り込める余地は沢山あるんですよ。話の内容がCSと全くイコールじゃなかったとしても、今までの経験や知見を生かせる領域があるかもしれません。

白塚:「CSはチームの責務ではなく会社全体で目指す概念」というお話に繋がりますね。

本多:その通りです。CSに少しでも関わりそうな話はとりあえず聞く姿勢が、案件を受ける側として大切だと考えています。また、知り合いや前職の人に、困り事はないか聞くのも良いですね。

本業とのバランスの取り方は?

白塚:最後は、「CSの副業を始めたいが、本業が忙しくて二の足を踏んでしまいます。どうしたらいいでしょうか?」という質問です。本多さんは、本業とのバランスをどのように取っていますか?

本多:本業が忙しいなら、今はタイミングではないかと思います。その分、知識や経験を積んでおき、時間に余裕が生まれた時点で始めても遅くはありません。

白塚:本多さんが上流工程の案件を受けた際、実際の稼働時間はどれくらいでしたか?

本多:最初は緊張していたので、平日は1〜2時間、週末は5時間を確保していました。慣れてきたら、打ち合わせ時間も含めて週7時間程度で収まっています。

白塚:案件の進み具合によって、稼働時間は変わってきませんか?

本多:変わってきますね。最初の1ヶ月半の稼働時間は比較的長いですが、クライアント側で施策を実行する段階に移ると、週1もしくは隔週の打ち合わせだけで済むことが多いです。下流工程やテックタッチで関わる場合は、まとまった実働時間が必要ですが、立ち上げ支援でしたら、稼働時間は次第に減っていきます。なので、本業が忙しいけど副業も始めたいなら、CSチームの立ち上げや仕組みを作る案件を優先的に受けると良いと思います。

白塚:ありがとうございます。稼働時間を確保するにあたって、気を付けていることはありますか?

本多:本業で想定外の仕事が発生することに備えて、時間の余裕をある程度作っています。空いている時間を全て副業に充ててしまうと、突発的な仕事が発生した時に対応できなくなるので。

白塚:なるほど。稼働時間の上限を事前に決めておけば、本業とのバランスが取りやすいということですね。

ただ、クライアントとのコミュニケーションには、柔軟な対応が必要だと思います。最近はチャットでやり取りすることも多いので、リアルタイムの返答を求められたりしませんか?

本多:おっしゃる通りです。私の場合は、曜日ごとに対応できる時間帯をあらかじめ伝えておきますとはいえ、本業との兼ね合いで実際の稼働時間が変わることが多いです。その際は、返信するタイミングや、現状の進捗を逐次伝えておきます。

白塚:コミュニケーションが取りやすい状態を維持するために、能動的に連絡することが大切ということですね。

本多:はい。無理にリアルタイムで返信すると変に期待させてしまい、正社員と同じような対応を求められるかもしれません。期待値がずれないよう、事前に自分の対応可能な時間を逐次伝えています。


白塚:質問に回答していただき、ありがとうございます。お時間が迫ってきましたので、最後に参加者に対してメッセージをお願いします。

本多:CSの副業は、現状あまり認知されていません。私としても、KOMMONSさんから紹介をいただくのは大変嬉しいので、積極的に案件を受けたいと考えています。

KOMMONSのコミュニティにも参加しているので、他に聞きたいことがあれば、お気軽にご連絡ください!

白塚:本多さん、本日はお忙しい中、本当にありがとうございました!KOMMONSは、CSの副業案件の紹介に加えて、情報交換ができるコミュニティCS KOMMONSも運営しています。気になる方は、ぜひお問い合わせください。

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